デウォルト テーブルソー「DWE7485」とは?
”DEWALT(デウォルト)” 製のテーブルソー「DWE7485」は、建築現場などに持ち込んで使用する小型の「jobsite tablesaw(ジョブサイトテーブルソー)」の区分に入り、100Vの電源で使用出来、DIYからプロまで使用されるモデルになります。(重量約21キロ・付属品はすべて本体に収納して運搬出来る)
小型のテーブルソーですが、フェンスを使用した幅カット(リッピング)やマイターゲージを使用した長さカット(クロスカット)などの切断加工の他、溝加工や欠き取り加工などが可能です。
デウォルトのテーブルソー「DWE7485」の使い方等は、以下の動画でも詳しく解説しています。
DWE7485・各部名称
DWE7485の構造と操作方法
ブレードの昇降・傾斜
ブレードは、ブレード昇降ハンドルを時計回りに回すと上昇し、反対に回すと下降します。
(ちなみにブレードは、作業者側に向かって上から下へ回転します。無負荷回転数は毎分5800回転になります。)
ベベルロックレバーを解除すると、ブレード昇降ハンドルを左右に動かすことが可能になり、ブレードを傾斜(左側に最大47°・右側に最大2°)させる事が出来ます。
ブレードが任意の角度に設定出来たら、再度ベベルロックレバーをロックし固定します。
ブレードが直角時の最大切削深さは「65mm」、45°傾斜時の最大切削深さは「45mm」となります。
ブレード交換・割刃(ライビングナイフ)脱着
ブレード交換をするには、まず刃口板を外し、ブレードを最大限まで上昇させておきます。
正面からブレードを見ると、左がモーターの回転軸側、右が固定ナット側になります。
ブレードの取り外しは、付属の2本のレンチを使用します。
レンチの開口側をモーター回転軸にかませ、メガネレンチ側をナットにはめます。
回転軸側のレンチを固定し、固定ナット側のレンチを手前(ブレードの回転方向)に回すと固定ナットを緩める事が出来ます。
固定ナット・クランプワッシャーを外し、ブレードを取り外します。
DWE7485に使用できるブレードは、外径が210mm、中央穴の直径が16mmのものになります。
※日本国内で販売されているブレードは中央穴の直径が20mmの物がほとんどで、購入時に注意が必要です。
ブレードを取り付ける場合は取り外しの逆の手順で行いますが、本体の矢印とブレードの矢印が同じ向きになる様に取り付けます。
キックバックを防ぐ役割をする「割り刃(ライビングナイフ)」は、取り外すことが可能で、付属のブレードガードアセンブリに交換する事が出来ます。
ロックノブを反時計回りに3周以上回して押し込むと割り刃を外す事が出来ます。
取付は逆の手順で行います。
ブレードガードアセンブリに交換すると、加工時ブレードのをガードして露出するのを防ぐだけでなく、ダストポートの追加や付属のアンチキックアセンブリ(キックバックを防ぐ)の取り付けが可能になります。
ラック&ピニオン式フェンス
「DWE7485」の大きな特徴が、「ラック&ピニオン式フェンスレール」が付属している点です。
ラック&ピニオン式とは、フェンス位置調整ノブ(歯車・ピニオン)を回転させると、歯が刻まれているフェンスレール(ラック)が左右に移動する仕組みです。
フェンス両端部には溝があり、前後のフェンスレールのピンにはめ込んでラッチを締め固定します。
フェンス調整ノブを回してフェンス位置を調整しますが、本体前後の歯車(ピニオン)が一本のシャフトで連結され前後のフェンスレールが連動して動く構造の為、フェンス位置調整が簡単で正確に行う事が出来ます。
フェンスを任意の位置にセットしたら、レールロックレバーを押し下げ固定します。
マイターゲージ
付属のマイターゲージは、左右二カ所どちらのマイタースロットにはめても使用する事が出来ます。
マイターゲージは左右30°まで傾斜する事が出来ます。
付属のマイターゲージはマイタースロットとの密着度が甘くがたつきがある為、加工時注意が必要です。
電源スイッチ操作
電源スイッチは本体正面左側に付属しており、OFFボタンには大きなカバーが付いていて非常時に押しやすくなっています。
※無負荷時のモーター音は約80㏈(走行中の電車内・パチンコ店内)になります。
電源OFFボタンを押すとブレーキが利き、ブレードの回転が直ちに止まる仕様です。
DWE7485の各部調整方法
①刃口板の平滑調整
刃口板とテーブル面に段差が無いかスコヤ等を使用して確認します。
段差がある場合は、刃口板・四か所の調整ネジを回して、段差が無くなる様に調整します。
②ブレードの角度調整(直角・45度)
ブレードを最大限上昇させ、ベベルロックレバーを解除してから、角度調整を行います。
ブレードの直角(90°)や45°の角度調整はスコヤ等を使用しても出来ますが、その他の任意の角度に調整する場合を考慮すると、デジタル角度計があると便利です。
デジタル角度計をテーブル面に設置し基準面を記憶させてから、ブレード側面に張り付けて表示を見ながら任意の角度に調整していきます。
※直角(90°)や45°の角度にブレードをセットする場合は、デジタル角度計でブレードを調整後、実際に材料をカットしてスコヤ等で切断面の角度を確認するようにします。
直角(90°)・45°プリセット機能
ブレードを直角(90°)と45°の角度にセットする時には、あらかじめセットしておいたストッパーにブレードユニットを押し当てるだけでセット出来る「プリセット機能」が付属しています。
直角(90°)と45°の位置には、ストッパー調整ネジが付属しています。
デジタル角度計等を使用して直角(90°)・45°にブレードをセット・固定したら、調整ネジを回してブレードユニットにストッパーを突き当て固定します。
ストッパーをセットしておく事で、次回からブレードユニットを押し当てるだけでブレードを直角(90°)・45°にセットする事が出来ます。(プリセット機能)
③マイタースロットとブレードの平行調整
マイタースロットとブレードの平行調整には、ストッパーを取り付けたスケールを使用します。
スケール先端をブレード手前の端部に押し当てます。
スケール先端を密着させた状態で ストッパーをマイタースロットに押し当てて固定します。
ブレードを回転させ、スケールを密着させたポイントを奥側へ移動します。
スケールをポイントに押し当て、先端及びストッパーの密着度合いを確認します。
スケール先端またはストッパーが密着していない場合は、調整が必要になります。
ブレードの平行調整は、テーブル奥側裏面(ダストポート上)の2か所の固定ネジを緩め、ブレード奥側を左右に動かして調整します。
④マイタースロットとフェンスの平行調整
マイタースロットとフェンスの平行調整には、スコヤの土台部分を使用します。
スコヤの土台部分をマイタースロットに押し付けたら、フェンスを押し当て挟むようにしてレールロックレバーを押し下げ固定します。
フェンスを固定した状態で、スコヤを奥側へ移動し、土台部分のはまり具合を確認します。
はまり具合が緩かったり(隙間がある)土台部分がはまらない場合は調整が必要です。
フェンスの調整する場合は、まずフェンス奥側のラッチを外し、ピンを緩めます。
スコヤの土台とフェンスが密着するようにフェンス奥側を移動し調整します。
フェンスをスコヤ土台部分に押し当てながらピンを固定し、ラッチを閉じてフェンスを固定して調整完了です。
基本の使い方
テーブルソーを使用する場合は、フリーハンドによる加工は行わず、必ずフェンスやマイターゲージを用いて加工します。
切断加工時、ブレードは加工材より3mm高くなる様にセットします。
(必要以上にブレードを出し過ぎない様にする)
リッピング
リッピングは、フェンスを使用した幅カット加工になります。
フェンスへ材料を押し当てながら、前方へ送り切断していきます。
リッピングは、刃数の少ないリッピング用ブレードを使用します。
リッピングは木目方向へ沿って切断加工を行うのが基本です。
フェンスに押し当てる木端面が広いほど安定した加工が可能になり、幅の狭い木口をフェンスに当てての切断加工は、キックバックなどの危険があるので行わないようにします。
幅の狭い材料を切り出す場合は、プッシュブロックを使用すると安全に加工作業が出来ます。
プッシュブロックの裏面には滑り止めが付属しており、確実に材料を保持し、送る事が可能です。
クロスカット
マイターゲージを使用した切断加工は、「クロスカット」と呼ばれ、木目方向と直交して切断加工するのが基本です。
クロスカットは、刃数の多いクロスカット用ブレードを使用します。
クロスカット時(切断加工の場合)マイターゲージとフェンスの併用はキックバックが発生するので行いません。
角度カット(傾斜カット)
角度カット(傾斜カット)は、ブレードを傾斜させた(フェンス併用)切断加工と、マイターゲージを使用した切断加工が基本となります。
溝・欠き取り加工
溝・欠き取り加工は、フェンスを使用する場合と、マイターゲージを使用する場合があります。
(溝・欠き取り加工は、フェンスとマイターゲージを併用する場合があります)
使用上の注意点
DWE7485には、フェンスの傾きを調整する機能はありません。
フェンスとテーブル面の直角が出ていない場合もあり、注意が必要です。
またテーブル面も完璧な平面でない為、加工時テーブル面の癖を考慮する必要があります。
まとめ
今回は、デウォルトのテーブルソー「DWE7485」の構造と基本の使い方、各部調整方法について解説しました。
「DWE7485」の大きな特徴は、なんといってもラック&ピニオン式フェンスが付属している点です。
国内産のテーブルソーにはない機能で、簡単なフェンス調整で精度が高い加工が可能です。
海外製ですが、電源もそのまま使用できるので、おススメのテーブルソーといえます。
デウォルトのテーブルソー「DWE7485」の使い方等は、以下の動画でも詳しく解説しています。