草刈機の種類は大きく分けると、燃料で動くエンジン式 と 電力で動くモーター式があります。
燃料で動くエンジン式には、ガソリンをそのまま使用する4ストロークエンジン型と、混合ガソリン(ガソリンに一定量のオイルを混ぜた燃料)を使用する2ストロークエンジン型があります。
電力で動くモーター式には、充電式バッテリーを使用するタイプと、本体に直接電源をつなぐ電気式タイプがあります。
電力よりも燃料で動くエンジン式のほうがパワーが大きく、作業効率も非常に高いです。
ただし、燃料の管理や作業中の騒音など、家庭で使用するのはハードルが高めです。
充電式バッテリーで動く草刈機は、エンジン式に比べ静かな作業音ですが、バッテリーユニット一式をはじめに揃える必要がありコストが高めです。
今回は、初期費用を抑え、家庭で気軽に使用出来る 電気草刈機(本体に直接電源をつなぐ電気式タイプ・マキタ・MUR1601N)の構造と使い方について紹介します。
電気草刈機(マキタ・MUR1601N)
各部名称
電気草刈機(マキタ・MUR1601N) は操作部分の電源プラグを電源につないでスイッチを入れ、草刈刃を稼働(回転)させて草刈作業を行います。
付属品
電気草刈機(マキタ・MUR1601N) には、はじめから金属刃とナイロンコードカッタが付属しており、2通りの使用が出来ます。
使用前に、ループハンドル(本体のポールに固定)と飛散防護カバー(ハウジング部に固定)を取り付けておきます。
飛散防護カバーは、ハウジング裏側の溝にはめ込み、六角穴付きボルトを締め固定します。
飛散防護カバーは、使用する刃の種類によって取り付け位置を変える必要があります。
ナイロンコードカッタを使用する場合は、金属刃の取り付け位置から下げて取り付けます。(金属刃の取り付け穴が見える状態)
付属工具の収納・刃の取り付け箇所の構造
電気草刈機(マキタ・MUR1601N) には、草刈刃の交換や飛散防護カバーの固定の際に使用する、”六角棒レンチ” ”ロックナットレンチ” が付属しています。
六角棒レンチ・ロックナットレンチは本体の操作部分の裏側に収納出来る様になっています。
草刈刃の取り付け部分は、”回転軸”、回転軸と連動して回転する ”刃受金物” ”ガード”、草刈刃を固定する ”刃押金具” で構成されています。
草刈刃を取り付ける時は、本体回転軸に刃受金物をはめガードをかぶせたら、使用する草刈刃をはめ、刃押金具を締め付け固定します。
ガード・刃受金物の側面と本体ハウジング横には、穴があいています。
ガードとハウジング横の穴を合わせ、六角棒レンチを刃受金物の穴まで差し込むと、刃受金具が回らない様に固定する事が出来ます。
刃受金具が回転しない=回転軸が固定される状態になるので、ねじ込み式の刃押金具を締め付けることが可能になり、草刈刃を固定出来る仕組みです。
金属刃の取り付け方
金属刃を本体に取り付けますが、飛散防護カバーの取り付け位置があっているか確認しておきます。
金属刃を交換しやすい様に本体を裏返し、取付部分を上向きにしておきます。
刃受金具は、使用する草刈刃によって表裏の向きを変える必要があります。
刃受金具を金属刃を使用する場合の向きにセットし、ガードをかぶせます。
金属刃には回転方向を示す矢印が印されており、飛散防護カバーの矢印の方向と合う様に取り付けます。
(写真の金属刃には安全のため、赤い刃物カバーが取り付けてあります)
ガードの穴とハウジング横の穴を合わせたら、六角棒レンチを差し込み、刃受金具(回転軸)が回らない様に固定します。
金属刃の真ん中の穴を、刃受金具の凸部にはめ込みます。
刃押金具をある程度まで手で締めたら、ロックナットレンチを使用ししっかり締め付けます。
取り付けた金属刃を手で回して、傾きやズレ(刃受金具の凸部にきちんとはまっているか)を確認し異常が無ければ、金属刃の取り付け完了です。
取り外しは逆の手順で行います。
ナイロンコードカッタの取り付け方
金属刃は鋭利な刃が回転することによって草を切断しますが、ナイロンコードカッタは本体から出ている2本のナイロンコードを高速で回転させることにより、草をナイロンコードで叩き切る仕組みになります。
ナイロンコードカッタの取り付け前に、飛散防護カバーの取り付け位置があっているかどうか確認しておきます。
ナイロンコードカッタは、草刈機本体側になるハウジングと地面側のカバーが、ハウジングの保持爪(2ヶ所)によって固定・一体化しています。
ハウジングの保持爪(2ヶ所)を押し込み、ハウジングとカバーを外します。
ハウジング中央のスプリングを外します。
ナイロンコードカッタを取り付ける場合は、刃受金具の2つの穴が見える方を取り付け側に向けます。
正しい向きに刃受金具をセットしたら、ガードをはめ込みます。
ガードと本体ハウジング横の穴を合わせ、六角棒レンチを差し込み、回転軸を固定します。
ナイロンコードカッタのハウジングを刃受金具にはめ、刃押金具を手である程度ねじ込んだら、ロックナットレンチで締め付け固定します。
ハウジングから外したスプリングを、刃押金具とハウジングの隙間に押し込んで取り付けます。
カバーをハウジングの保持爪(2ヶ所)にしっかりとはめ込みます。
六角棒レンチを外し、手でナイロンコードカッタを回し不具合が無ければ、取付完了です。
取り外しは逆の手順で行います。
ナイロンコードカッタは使用していくと、ナイロンコードが摩耗し短くなっていく為、適宜ナイロンコードを引き出しながら作業します。
スイッチを入れたままナイロンコードカッタのハンマヘッドを地面に軽く打ち付けると、自動でナイロンコードが繰り出される仕組みになっています。
ナイロンコード交換
ナイロンコードは消耗品の為、適宜新しいコードに交換する必要があります。
ナイロンコードはカバーにセットしてある ”ボビン” に巻いてあります。
ナイロンコードを交換する為、カバーからボビンを外します。
ボビンから古いナイロンコードを外しておきます。
新しいナイロンコードの両端を12cm程ずらして、折り曲げます。
ビボンの切欠き部分に、ナイロンコードの折り曲げた部分を引っ掛けます。
ボビンに印された巻き方向に従って、ナイロンコードが緩まないようにしっかりと巻き付けていきます。
ナイロンコードの端部を10cm残して、ボビンのコードクリップに仮止めします。
カバーのアイレットの位置とボビンのコードクリップの位置を合わせ、取り付けます。
ボビンのコードクリップからナイロンコードを外し、アイレットの溝に通します。
カバーのアイレットとハウジングの凹部を合わせ、保持爪をしっかりはめ込んだら、ナイロンコードの交換終了です。
電気草刈機(マキタ・MUR1601N)による刈払作業のやり方
電気草刈機(マキタ・MUR1601N)の持ち方・スイッチ操作
電気草刈機(マキタ・MUR1601N)は、肩掛けバンドを本機に取り付け左肩にたすき掛けし、両手でループハンドル・グリップを持って保持し、草刈作業を行います。
電源コードは、草刈刃による切断等を避ける為に、絶えず作業者の背面にくるようにします。
肩掛けバンドは、ハンドル部分とループハンドル2ヶ所に取り付ける事が出来、使用しやすい方に取り付けます。
付属の延長コードのコネクタにはロック機能があり、本体のプラグに奥まで差し込むと外れなくなり、作業中不用意にコードが外れる事を防ぎます。
コードを外すには、ロック解除ボタンを押しながら引き抜きます。
本機を始動するには、操作部分のロックオフレバーを前に押しながらスイッチを引きます。(離すと切れます)
本機は電気でモーターを動かし、連動する草刈刃を回転させる構造です。
草刈刃に過剰な負荷がかかると、モーターを保護する為に ”過負荷保護装置” が働き、自動的に停止します。
過負荷保護装置が働いた場合は、電源コンセントを抜いてから、原因(刃が木の根元などに引っかかったり、草が絡んでいる等)を除去します。
1~2分手程度停止させたあと、復帰ボタンを押し、作業を再開してください。
刈払作業の基本
草刈作業に入る前に、草刈を行う場所にある小石などの障害物を取り除いておく必要があります。
草刈刃が障害物に当たると、障害物が飛散したり、草刈刃が破損・本体の跳ね返り(キックバック)等が起こり、大変危険です。
障害物は動かせない物や除去し切れない物などが出てくるので、保護メガネの着用は必須です。
地面から草刈刃を浮かしてスイッチを入れたら、右から左へ草刈刃を送り、草をカットしていきます。
草刈刃の左側3分の1の部分で草を刈る様にして、右から左へ草をカットし、前へ進みます。
草刈の送り方向を左から右にしたり、草刈刃の右側を使用しての草刈は作業は、本機が右側に跳ね上がる ”キックバック” が起こりやすく、事故につながる為大変危険です。
うしろに後退りしながらの草刈作業も、後方の状況が分からずに転んだりする可能性が大きく大変危険です。
必ず右から左へ刃を送り、前進しながら草刈刃の右側で草刈を行います。
金属刃とナイロンコードカッターの草刈作業の違い
金属刃は、鋭利な刃が付いており、ある程度の太さがある草でも綺麗に刈る事が出来ます。
ただし、障害物に刃が接触したり刃の送り方向(右から左へ送る)を誤ると、キックバックが起こりやすく、障害物や破損した刃が飛散して大変危険です。
金属刃で縁石やフェンス、立ち木などの回りを刈る場合は、”キワ刈りガード” を使用します。
本機(マキタ・MUR1601N)では、付属のキワ刈りガード(金属刃160使用時のみ有効)をハウジングの取り付け溝に差し込み固定します。
キワ刈りガードを縁石などに押し当てながら草刈を行うと、草刈刃を縁石等にぶつける事無くキワ刈りが出来ます。(キワ刈りガードの高さより低い位置の縁石など、ガードを押し当てる事が出来ない場合は効果が無く使用できません)
※キワ刈りガードの高さより低い位置の縁石など、ガードを押し当てる事が出来ない場合は効果が無く使用できません。
本機(マキタ・MUR1601N)では、キワ刈りガードを使用しない場合はフランジの裏側に収納出来ます。
ナイロンコードカッターは、ナイロンコードを高速回転させ、草を叩いて切る仕組みです。
実際に草刈をしてみると、金属刃の様な切れ味が無い為、多少作業性は悪くなります。
太めの草などは刈り残してしまうこともあります。
ナイロンコードカッターが能力を発揮するのが、縁石などの障害物のキワ刈りです。
刃の代わりがナイロンコードの為、縁石などの障害物にコードが当たっても傷つける事が無く、キワを綺麗に刈る事が出来ます。
ナイロンコードカッターでの草刈は構造上、金属刃に比べ、刈った草等の飛散が酷くなります。
小石の様な障害物があると、飛び石等による怪我や事故が起こる頻度が金属刃に比べ高いです。
(業者の草刈作業でもナイロンコードカッターを使用する際には、2人一組になって作業を行います。一人が草刈機を操作し、もう一人が防護ネットを持って飛び石等の飛散を防ぎます。)
ナイロンコードカッターを使用する際には、刈る場所の障害物の撤去と周囲の安全を確認して作業してください。
まとめ
今回は、電気草刈機(本体に直接電源をつなぐ電気式タイプ・マキタ・MUR1601N)の構造と使い方について紹介しました。
家庭用電源で動かすことが出来、他の種類の草刈機に比べ初期コストも抑えられるので、家庭用として最適な草刈機です。
エンジン式と比べパワーが劣るとはいえ、高速で回転する草刈刃を操作するので、基本の操作をしっかり覚え安全に作業する事が大切です。
今回紹介した電気草刈機はコチラです。⇨
参考にしてみてくださいね。