木工DIYにおいて、材料である木材の選び方って難しいですよね。
作るものそれぞれに適した木材を選び、使う事がいい物を作ることにつながるので、木材を “知る” という事が重要になります。
そこで今回は木材を扱う上で知っておくべき “木材の構造と性質、名称” について説明します。
樹木の分類(針葉樹と広葉樹の違い)
木材の構造を知るには、木材のもとである樹木の分類と性質を知っておく必要があります。
樹木を大きく分類すると “針葉樹” と “広葉樹” に分かれます。
針葉樹は葉の形が主に針形で、マツ・スギ・ヒノキなど約540種あると言われています。
根元と先端の太さがあまり変わらず真っ直ぐ成長するので建築用材として使われています。
柔らかく加工もしやすく、軟材(softwood)と呼ばれています。
広葉樹は葉の形が卵型など様々で、ナラ・ケヤキ・ラワンなど約20万種ほどあると言われています。
成長が遅いものが多く年輪が密になっています。
そのため固く丈夫で家具材として使われ、硬材(hardwood)と呼ばれています。
木材の構造と性質、名称
心材と辺材
丸太を輪切りにしてみると、中心部の比較的色の濃い部分と外周部の色の薄い部分とに分かれます。
中心部分を “心材(しんざい)” 、外周部を “辺材(へんざい)” と言います。
・辺材は伐採前の立ち木の時水分を通す作用をしていた部分で ”含水率” が心材より高く比較的柔らかい木材が多いです。
ねじれや狂いが出やすく、腐り易い材です。
※ “含水率” = 木材の水分量 / 水分を全く含まない木材の重さ を%で表したもの
・心材は辺材に比べて耐久性が高い為、多くの樹種で主に使われる材です。
辺材は虫食いにあいやすく、心材が用いられる要因の一つでもあります。
柾目と板目
丸太から板材を製材する際、切断(挽き方)のやり方(木取り)によって年輪の現れ方が異なってきます。
年輪が平行に並んで上下に真っ直ぐ通っているものを “柾目(まさめ)” と言います。
収縮が少なく反りや割れに強いですが、一本の丸太から多く柾目板を取ろうとすると無駄になる部分が多く出てしまいます。
年輪の模様がたけのこ状や不規則な波状になっているものを ”板目(いため)” と言います。
板目板には表・裏があって、樹皮(木の外側)に近い面を “木表(きおもて)” 、木の中心(樹心)に近い面を “木裏(きうら)” と言います。
木表・木裏の区別は、木口面(木を輪切りにした面・後述)の年輪を見て判断します。
木表側と木裏側では含水率の差によって、反りや割れが生じやすくなります。
板目に木取りすると無駄が少なく経済的(安価)ですが、使用できず(反りや割れ等)無駄になる部分も出てしまう事があります。
木材の反りや割れに関しての詳細は、木材の反り・割れの原因と防止法とは? の記事を参照してください。
木口と木端
木の繊維方向対して垂直に切断した面を ”木口(こぐち)” 、板材などで繊維方向と平行に切断した側面の事を ”木端(こば)” と呼びます。
木口面は釘やビスの保持力が弱く、接着剤や塗料の吸い込みも多くなるので注意が必要です。
木材の欠点
木材の傷や欠点の主なものとしては、 “節” “割れ” “反り” “やに” などがあります。
節は樹木が肥大成長していくにつれ枝が樹木の中に包み込まれた部分をいいます。
抜け落ちたり割れたり、反りを発生させる原因になるので、ホームセンターで木材を選定する際の重要チェックポイントです。
割れは主に製材後の木口に現れることが多く、木材購入後の保管状態によっては新たに起こる事もあります。
使用する部材寸法+余分(割れ分)を考え木材購入することが必要です。
反りは板材の縦(長さ)方向に湾曲したものをいい、幅方向に湾曲したものを幅反りといいます。
長さ方向の反りは使用方法によって修正が可能ですが、幅反りは特に板厚が大きいものほど修正が困難になるので注意が必要です。
やには樹木中の樹脂が堆積したもので、製作物の仕上げに影響を及ぼします。
塗装の際に塗料が浸透しなかったり、定着しなかったりといったトラブルの原因になります。
まとめ
今回は木材の構造と性質、名称について基本の部分を説明しました。
実際にホームセンターに並んでいる木材を見て確認してみると、より理解が深まると思います。
適切な木材選びや、木材を使用する際に参考にしてみてくださいね。