DIYでもの作りをする時、材料(木材)ってどこで手に入れますか?
ほとんどの方がご近所のホームセンターで購入されると思います。
ホームセンターには様々な木材が販売されていて、どの木材を選べばいいのか悩みますよね。
そこで今回はホームセンターで購入出来るDIYに適した木材にはどんな種類があるのか、紹介します。
2×材
アメリカの2×4(ツーバイフォー)工法住宅で使われる2×材(ツーバイ材)です。
どこのホームセンターに行っても取り扱っている、DIYの材料と言えば2×材!といえるぐらい使用頻度が高い木材です。
規格化されているので価格が安く、表面はなめらか・角面は丸く加工されています。
比較的やわらかいので加工がしやすくDIY初心者でも扱いやすい木材です。
木の種類はカナダ・アメリカ産の “SPF” と呼ばれる針葉樹がメインで、他には “ホワイトウッド” といわれる欧州産の針葉樹があります。
“SPF” とは、スプルース(Spruce 米トウヒ)パイン(Pine 松)ファー(Fir モミ)の頭文字をとった名称で、この三種類の木材は材質が似ていることから “SPF” というくくりで混ぜ合わされて販売されています。
2×材の規格寸法
2×材の断面(木口)の規格寸法はインチで表記され、ミリに換算すると次のようになります。
1×材 | サイズ(mm) | 2×材 | サイズ(mm) |
1×2 | 19×38 | 2×2 | 38×38 |
1×3 | 19×63 | 2×3 | 38×63 |
1×4 | 19×89 | 2×4 | 38×89 |
1×6 | 19×140 | 2×6 | 38×140 |
1×8 | 19×184 | 2×8 | 38×184 |
1×10 | 19×235 | 2×10 | 38×235 |
1×12 | 19×280 | 2×12 | 38×280 |
4×材 | サイズ(mm) |
4×4 | 89×89 |
2×材の長さの規格寸法はフィートで表されます。
ミリに換算すると細かい数値になる(1フィート=304.8mm)為、ホームセンターでのミリ表記は簡略化してあることが多いです。
長さ(フィート)をミリに換算した正確な数値は次の表になるので、ホームセンターで購入時の目安にしてください。
フィート | サイズ(mm) |
3フィート | 914.4 |
6フィート | 1828.8 |
8フィート | 2438.4 |
10フィート | 3048 |
12フィート | 3657.6 |
2×材を使用する際の注意点
2×材は節が多く、ヤニや割れ、反りが出ている物も見受けられます。
それらの欠点はDIYでの製作時(切断・組み立て・塗装など)に影響を及ぼすので、ホームセンターでの購入時に慎重に材を選別する事が重要です。
2×材ははじめから角がR(丸く)に加工されているため、材同士をつなぎ合わせるとつなぎ目に溝が出来てしまうので、設計時に考慮する必要があります。
“SPF” “ホワイトウッド” 共に耐水性が低く腐りやすいので、基本的に屋外での使用には適しません。
ただし2×材の規格で屋外の使用に耐久性のある、“防腐剤注入木材” “ウエスタンレッドシダー” という材があります。
防腐剤注入木材は薬剤の色で表面が緑色になっていて、ウエスタンレッドシダーは茶褐色の木材です。
屋外のウッドフェンスやウッドデッキ等で使用されます。
屋外使用の木材についてはウッドデッキに適したおススメの木材と選び方のポイントとは?の記事を参照してください。
2×材はコチラの記事で使用しています。
日本の建築用木材
日本の住宅建築用木材です。
杉や松などの針葉樹で、垂木(たるき)・貫(ぬき)・野地板(のじいた)など建築で使われる箇所の名称で販売されています。
DIY初心者だとよくわからない名称が多いので、材料のサイズ(幅・厚み・長さ)に注目し、制作する物の寸法に合うものをチョイスする様にしましょう。
杉などの荒材はガーデンファニチャーやエイジング加工した物をDIYする際に使用するといい雰囲気が出るのでおススメです。
日本の建築用木材を使用する際の注意点
ホームセンターで販売されている日本の建築用木材は品質のバラつきが多く、購入時の選別が重要です。
特に木材の乾燥状態は様々で、反りや割れがある物も混在しています。
木材は乾燥状態別に
- KD材 人口(機械)乾燥した木材
- AD材 天然乾燥した木材
- グリーン材 天然乾燥が不十分な木材
と言う名称で呼ばれ、ホームセンターでも表記される様になってきています。
乾燥が不十分なグリーン材はホームセンターでも販売されていて、反り割れが起こりやすいので購入・使用時には注意が必要です。
木材の乾燥などに関しては木材の反り・割れの原因と防止法とは?の記事を参照してください。
赤松などのヤニが多い木材に塗装を施すと、塗料をはじいてしまい仕上がりが悪くなる事があります。
塗装など最終的な仕上がりも考慮に入れて木材を選ぶことが必要です。
建築用木材はコチラの記事で使用しています。
加工材
スプルース・エゾ松・ヒノキ・ラワン・杉などの木材を小割にし製材した加工材です。
幅・厚みとも小さめのサイズが多く、表面はプレーナー(機械カンナ)がかけてありとても滑らかです。
DIYにおいて木材の長さを任意のサイズに切断する加工は比較的容易に出来ますが、幅・厚みを任意のサイズに加工すること、特に木材を細く・薄くする事は難しくなります。
その点、加工材は幅・厚みが細く薄い物から様々なサイズが仕上げ材としてあるので大変重宝し、DIY初心者から上級者まで使用頻度が高い木材です。
針葉樹の木材がメインとなるので、あまり強度がなく、フォトフレームや木箱などの小物の制作に適しています。
ビス留めや釘を打ち込む際は割れ防止の為、ドリルで下穴をあけてから行うなど、加工や組み立てには考慮が必要です。
加工材はコチラの記事で使用しています。
集成材
無垢の角材や板材の木目方向を平行にして、接着剤で張り合わせたものが集成材と言われる板材です。
原木を無駄なく使用する事が出来る、環境に優しい木材といえます。
幅方向にも長さ方向にも張り合わせる事が可能なので、天然の木から得にくくなっている幅の広い材や長い材を作る事が出来ます。長さ方向の接合には “フィンガージョイント” と呼ばれる接合強度が強い方法が用いられます。
張り合わせ前に節などの欠点を除去する事が出来る為、品質が均一で割れや反りが生じにくい材です。
パイン・ラジアタパイン・ファルカタ・ゴムなどの種類があり、サイズも豊富に揃っていて棚やテーブルをDIYする時によく使われる板材です。
パイン集成材、ラジアタパイン集成材はコチラの記事で使用しています。
普通合板(プライウッド)
合板(プライウッド)です。いわゆる “べニア” と呼ばれている板材です。
大根をかつら剥きするように木材を薄く剥いた板(単板)を何枚も積み重ね、接着剤で張り合わせた材です。
単板の木目を一枚ごとに直角に重ね合わせているので、反りや狂いが少ないです。
ラワン合板・シナ合板・針葉樹合板などの種類があります。
ホームセンターで扱っている合板のサイズは通称 “サブロク” といわれている “3尺×6尺” (910ミリ×1820ミリ)がメインで、それ以下の小さいサイズもラインナップされています。
ラワン合板やシナ合板の5.5ミリ厚の材は、引き出しの底板や棚の背板などに使われ、DIYでも使用頻度が高い材です。
針葉樹合板は木造建築の下地材で本来は目につかない材ですが、最近ではその風合いが好まれて、店舗の陳列棚や内装にそのまま使用されています。DIYでもよく使われてます。
俗に “コンパネ” と呼ばれているコンクリート型枠合板をDIYの材料として使用する方がいますが、使用されている接着剤が安全基準を満たしてない物も多く(ホルムアルデヒドの放散量の安全基準外)、健康被害をこうむる可能性があるのでおススメしません。
針葉樹合板はコチラの記事で使用しています。
ランバーコア合板
ランバーコア合板は木材(主にファルカタ材)のひき材(小幅材)を接着し、板状に集成した芯材(コア)の両面に単板を接着して作られます。
芯材の厚みがある為、比較的厚い合板になり、ビス等のききも良好です。
両面の単板の材質によってシナランバー合板・ラワンランバー合板・ポリランバー合板などの種類があります。
ランバーコア合板もサイズは “3×6” (サブロク、910ミリ×1820ミリ)がメインで、それ以下の小さいサイズもラインナップしています。
シナランバー合板は内装材から家具材まで幅広く使われています。表面が綺麗に仕上がっているので塗装のりも良く手間も省けます。
ポリランバー合板は両面がポリエステル仕上げになっていて水拭きなどが可能な材です。カラーバリエーションもありますが、ホームセンターでは白色ぐらいしか置いていません。キッチンや洗面所まわりの収納棚などによく使われます。
ランバーコア合板は、木口・木端が露出する構造の場合芯材が見えてしまうので、“木口テープ”(両表面の材質と同じ)を木口・木端に貼り付け芯材を隠すように仕上げます。
OSB合板・MDF
OSB合板とMDFです。
OSB合板はDIYで人気材の一つです。
元は木造建築の下地材で目に触れませんでしたが、その見た目が買われて今では内装や店舗の陳列棚など表側に使われています。
OSB合板は小さな木片を接着・高温圧縮して製造します。
製材しづらい木材や製材過程ででた端材などを利用できることから、環境に優しい材と言えます。
MDFは木材を繊維状にほぐし、接着剤などで固め成形した材です。
この材も木材を無駄なく利用して生産されるので環境に優しい材です。
ひと昔前シンプルなデザインの物を販売する○○良品がMDFを使った商品を出して流行したことがありました。
表面が平滑で塗装のりも良いのでDIYの材料として使用しやすいのですが、湿気に弱く膨れや反り、カビの発生が起こりやすいので、水回りなどには使用しない様にしてください。
有孔ボード・プリント合板
4ミリ~5.5ミリの合板に穴が等間隔にあいている “有孔ボード” もDIYの材料として使われます。
通常吸音や通気が必要な箇所へ使用されていましたが、専用金具を使用し収納・ディスプレイとしての用途が増えてきています。
合板の表面に木目や様々な模様などを印刷した “プリント合板” もDIYの材料として使われます。
印刷の方法は直接合板に模様を印刷するやり方と、模様を印刷した用紙を合板に貼り付け表面をコーティングするやり方があります。
あくまでも印刷された木目等なので質感は落ちますが、仕上げ材として貼り付けて使用します。
まとめ
今回はホームセンターで購入出来るDIYに適した木材にはどんなものがあるのか、説明しました。
実際の使用例を紹介してあるので、出来上がりの質感等参考にしてみてください。
ホームセンターではDIYer向け木材の種類・量共に増えてきています。
ホームセンターで適切な木材を購入出来る様に、今回の記事を参考にしてみてくださいね。