トリマーにはストレートガイドやテンプレットガイドなど様々なアタッチメントがあり、それらを装着する事で加工の幅を広げる事が出来ます。
今回は、トリマベースに取り付けるアタッチメントの中から「トリマガイド」と「トリマシュー」の使い方について解説していきます。
トリマガイド
トリマガイドとは?
トリマガイドは、トリマーベース部に取り付けて使用するアタッチメントになります。
先端部にコロ(ローラー)が付属しており、部材のガイド面にコロを沿わせて切削加工します。
トリマガイドを使用すると、コロ(ベアリング)無しビットでコロ(ベアリング)付きビットやストレートガイドを使用して加工材側面に切削加工した場合と同様の加工が出来るようになります。
コロ位置の調整は、アジャストスクリュを回してコロを移動し、クランプスクリュを締付け固定して行います。
コロとビット刃先までの寸法が切削幅になります。
コロはなるべくビット先端に近づけて固定します。
コロの可動域はビットのセンター(トリマーの回転軸シャフト中心)から刃先に向かって外側に移動する事が出来ます。
(可動域は約10mm)
ビットセンター(シャフト中心)からトリマガイド取付位置方向には移動出来ません。
段欠き加工
トリマガイドとストレートビットを使用すると段欠き加工が可能です。
ビットの出寸法(切り込み深さ)調整し、任意の段欠き幅になる様にトリマガイドのコロ位置を調整、固定します。
コロを加工材のガイド面(木端面)に押し当てて切削していきます。
段欠き加工は背板の収まり箇所や包み欠き接ぎなどに用いられます。
面取り加工
面取り加工にはビット先端にコロが付属した面取りビットを使用しますが、トリマガイドとV溝ビットやU溝ビットなどのコロ無しビットを使用すると、面取加工が可能になります。
任意の切削量になる様に切り込み深さ(ビットの出)とコロの位置を調整・固定します。(V溝ビット使用)
トリマガイドのコロを加工材木端面に押し当てながら切削していくと、面取り加工(V溝ビットによる角面加工)が出来ます。
トリマガイドとU溝ビットを使用すると、サジ面加工が出来ます。
目地払い加工
フラッシュ構造(芯材に化粧板を接着する)などで目違いを取る場合、通常目地払いビット(フラッシュトリムビット)を使用しますが、トリマガイドとストレートビットを使用する事でフラッシュトリムビット同様の切削加工が可能になります。
切り込み深さ(ビットの出)を「化粧板の厚み+α」にセットします。
(目地払いの際に化粧板の切削残しが発生しないようにビットの出を調整します)
切り込み深さが調整出来たら、ビット際とトリマガイドのコロを面になる様にセットします。
芯材にコロを押し当てて、化粧板を切削していきます。
コロとストレートビットの際を面にセットしているので、芯材と化粧板を面に仕上げる事が出来ます。
トリマシュー
トリマシューとは?
トリマシューは、トリマベース部に取り付けて使用するアタッチメントになります。
ストレートガイド同様に加工材のガイド面に押し当てて切削加工を行う為のアタッチメントですが、ストレートガイドと比べ接地面積が大きく、トリマーベースの接地面が狭い加工の場合でも安定した加工が可能になります。
またトリマシューの接地面の広さを利用し、トリマーを横に倒した切削加工も可能です。
トリマシューは本体にトリマガイドの取付部品・アジャストスクリュ・クランプスクリュを取付けて組み立てます。
本体のネジ穴にアジャストスクリュをねじ込んだら、取付部品の凸部と本体部の凹部を組み合わせ、アジャストスクリュにはめ込みます。
取付部品のネジ穴へクランプスクリュをねじ込んでトリマシューの組みあがりです。
トリマシューの接地面側には開口部があり、ビットとトリマシューが接触しない様になっています。
接地側背面には、トリマーの送り方向を示した矢印が印されています。
トリマシューの可動域は、トリマガイド・コロの可動域と同じで、ビットのセンター(トリマーの回転軸シャフト中心)から刃先に向かって約10mm外側に移動する事が出来ます。
木端面のあり形加工
トリマーを用いてあり形追い入れ接ぎの様に加工材の木端面にあり形加工を施す場合、トリマーベースを狭い木端面に当てて切削する事になる為、ストレートガイドを使用した場合トリマーが不安定になりがちです。
あり溝ビットは、その形状から使用する向きが決まっている為、木端面にあり形加工を施す場合は必ずトリマーベースを木端面に接地させて切削加工しなければなりません。
(ストレートビットなど他のトリマービットと違い、トリマーの安定性を考慮して加工材を倒し板面にトリマーベースを接地させる方法ではあり形に加工出来ません)
ストレートガイドと比べ、トリマシューは板面への接地面が広く、トリマーベース面の接地範囲が狭くても非常に安定した切削加工が出来ます。
あり溝ビットの切り込み深さ(ビットの出)を調整したら、トリマシューを動かし切削幅をセットします。
トリマシューを加工材板面に押し当て、トリマーベースを木端面に密着させ切削していきます。
トリマーの送り方向はストレートガイドと同様に、ビットの左側に加工材が来るようにトリマーを設置し、前方に送る様にします。
木端面片側を切削加工したら、反対側板面にトリマシューを押し当て切削加工し、木端面をあり形に仕上げます。
トリマー本体を横に倒した切削加工
トリマシューの接地面の広さを利用すると、トリマーを横に倒して切削加工を行う事が可能です。
トリマシューを加工材板面に、トリマーベースを加工材木端面に押し当てて切削します。
トリマーを横に倒して切削加工する場合は、加工材の位置とトリマーの送り方向に注意が必要です。
通常加工材端部をトリマーで切削するにはトリマーの進行方向に対し左側に加工材を設置しますが、トリマーを横に倒して切削する場合はトリマーの進行方向に対し右側に加工材を設置します。
(トリマシューに印されている矢印方向に合わせる)
V溝ビットやストレートビットを使用すると、面取り加工や段欠き加工が可能です。
トリマガイドとトリマシューの使用例に関しては、以下の動画でも紹介しています。
まとめ
今回は、トリマーのアタッチメントの中から「トリマガイド」と「トリマシュー」の使い方について解説しました。
トリマガイドは、コロ無しビットでコロ付きビット同様の加工が可能になり、トリマシューはトリマベースの接地面が狭い場合に非常に安定した加工が出来るようになります。
このほかにも様々なアタッチメントがありますが、それぞれの加工に適したアタッチメントを装着・使用する事で、トリマーによる切削加工がより正確で安全に行える様になります。