木工DIYで必ず行う工程が、部材の研削・研磨です。
サンドペーパーを使用し手動で研削・研磨を行うのに比べて、簡単な操作で短時間に効率よく研削・研磨出来る電動工具が、”サンダー” です。
今回は、“サンダー” について種類と使い方を説明します。
サンダーとは?
”サンダー” とはサンドペーパー(ペーパーやすり)を本体に取り付け、振動や回転させることによって木材等を研削・研磨する電動工具です。
サンダーの種類には、
- 細かい楕円運動(振動)で研削・研磨する “オービタルサンダー”
- 円形のサンドペーパーを貼り付けたパット自体の回転+偏芯運動(パッドの回転軸をずらす機能)で研削・研磨する “ランダムサンダー”
- ベルト状のサンドペーパーを回転させて研削・研磨する ”ベルトサンダー”
などがあります。
オービタルサンダー
オービタルサンダーは、四角いパッドコンプリート部分が細かい楕円運動(振動)をし研削・研磨します。
パッド部分が細かい動きをする為、繊細な研削・研磨を行う事が可能なので、仕上げの研磨作業に適したサンダーです。
サンドペーパーの取り付け
穴の開いた専用のサンドペーパーを本体に装着します。
片方のペーパークランプを開いてサンドペーパーを挟み込みます。
たるまないように引っ張りながらもう片方のペーパークランプに挟み込んで装着します。
(サンドペーパーの穴とパットコンプリートの集塵吸入口の位置が合う様に取り付けます)
パットコンプリートは4本の固定ネジを外すと、取り外しが可能です。
パッドコンプリートを交換し、サンドペーパーの交換が簡単なマジックファスナ式に変える事が出来ます。
クランプ用パッドコンプリート(サンドペーパーをクランプに挟む場合に使用)を外したら、専用のマジックファスナ用パッドコンプリートに交換し、固定ネジを締め取り付けます。
マジックファスナ用サンドペーパーを用意し、パッドコンプリートの穴とサンドペーパーの穴が同じ場所になる様に張り合わせたら取り付け完了です。
(マジックファスナ式に変えると、サンドペーパーの交換が「剥がす・張り付ける」の簡単作業になり便利です)
穴の開いていない市販のサンドペーパーを使用する際には、専用のパンチプレートで穴を開け使用する事が出来ます。
市販のサンドペーパーを装着したら、パンチプレートのガイドをパッドコンプリート側面に当ててセットします。
パンチプレートを奥までしっかり押し込むと、粉塵吸入口の場所に穴があき、市販のサンドペーパーで集塵機能が使用出来る様になります。
集塵機能
サンダーで研削・研磨作業を行うと、多量の粉塵が発生します。
穴の開いた専用のサンドペーパーを使用する事で、集塵吸入口から排出口へ粉塵を排出する事が出来ます。
粉塵排出口には、ダストバックや集塵機のホースをつなぎ、粉塵を回収します。
ただし、発生するすべての粉塵を回収する事は難しく、ある程度粉塵が発生・飛散する為、作業する環境や作業者の装備等の考慮が必要です。
オービタルサンダーの使用方法
スイッチを引くと電源が入り、サンダーが始動します。
スイッチを引いた状態でロックボタンを押すと、スイッチがロックされ、運転状態を保ちます。
停止する時は、もう一度スイッチを引きロックボタンを解除し、スイッチから手を離します。
スイッチを入れモーターの回転が安定したら、サンダーを部材にあてがい研削・研磨作業を行っていきます。
部材に対しパッド面(サンドペーパー面)の水平を意識しながら本体を両手で保持し研磨していきます。
サンダーの送り方向は部材の木目方向と同じにし、前後に動かしながら研磨します。(木目方向と交差した方向にサンダーを送り研磨すると研磨跡が残ってしまいます)
部材の中央部分はサンダーの水平がとりやすく平面を損なわないのですが、端の部分はサンダーが斜めになりがちで、角が落ちて丸くなったりすることが多いので十分注意してください。
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ランダムサンダー
ランダムサンダーは、専用の円形サンドペーパー(ディスクペーパーまたはサンディングディスクと呼ばれる)を取り付けた丸いパッド部分が、偏芯運動(パッドの回転軸をずらす)しながら回転して研削・研磨します。
研磨力が強く、広範囲の研磨や粗砥ぎに向いています。
本体パッド部には、粉塵を排出するための集塵穴があいています。
ランダムサンダー専用の円形のサンドペーパー(ディスクペーパー・サンディングディスク)にも同じように集塵穴があけられており、集塵穴をあわせて取り付けます。
本体パッド部とサンドペーパー取り付け面は、マジックファスナ式になっており、簡単に取付脱着が出来ます。
本体後方には集塵排出口があり、ダストバックや集塵機に接続して研磨時の粉塵を回収することが可能です。
(発生する粉塵全てを回収することは出来ません)
材料から離れた所で、本体の前方にある電源スイッチを入れ、回転が安定したら研磨作業を始めます。
本体は、片手もしくは両手で保持し、前後(木目方向)へ動かしながら研磨します。
オービタルサンダーと同様に、部材の端の研磨は角を落としやすく丸くなりがちなので、注意が必要です。
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ベルトサンダー
ベルトサンダーは、サンディングベルトと呼ばれるベルト状のサンドペーパーを高速で回転させ研磨します。
パワーが強力で広い範囲の研磨もスピーディーに行うことが出来ます。
サンディングベルトの幅が10mm~30mmほどの細長いベルトサンダーもあり、狭く深い場所や、複雑な形状の物を研磨する事が出来ます。
据え置きタイプ(ベルトディスクサンダー)
据え置きタイプのベルトサンダーは部材をサンディングベルトへ押し当てて研磨します。
ディスクサンダー(回転し垂直などの角度を固定して部材を研磨出来る)が付属しているモデルもあり便利です。
(ハンディタイプのベルトサンダーも専用のスタンドを使用し本体を逆さ向きにして据え置きタイプのベルトサンダーとして使うことも出来ます。)
ベルトディスクサンダーに関しては ベルトディスクサンダーの構造と使い方とは? の記事を参照してください。
集塵機能と騒音
サンダーを使用して研磨作業を行うと、多量の粉塵と騒音が発生します。
各サンダーには集塵機能が付属しており、ダストバックや集塵機によって粉塵を回収します。
しかし、研磨作業で発生する粉塵を100%回収することは不可能なので、防塵マスクや保護メガネの着用が必要となります。
研磨作業中は騒音も発生するので、多少の粉塵・騒音が出ても大丈夫な環境下での作業が必要条件となります。
サンドペーパーに関して
電動工具のサンダーに使用するサンドペーパーには様々な種類があり、機種によって使用するサンドペーパーの形状が異なります。
また、研磨作業の内容によって、適切なサンドペーパー(材質・目の粗さ等)を使用する必要があります。
各サンダーに使用するサンドペーパーに関しては、サンドペーパーの種類と用途、選び方とは? の記事を参照してください。
まとめ
今回は、素地調整などのスピードアップには欠かせない電動工具サンダーについてその種類と使い方について説明いたしました。
サンダーは便利な電動工具であっという間に研磨してくれますが、やりすぎるとせっかくの平面を凸凹にしたり、端を丸くしてしまったりするので注意してくださいね。