マルノコの使い方と構造について詳しくお教えします。

マルノコの使い方

木工DIYで初心者から一段レベルアップするポイントって何だと思いますか?

“自分で正確な木材カットが出来る様になる” 事です。

ホームセンターでのカット依頼や、作業性の悪い手鋸でのカットから卒業したいと思いませんか?

そんな方の願いを叶える電動工具、それが “マルノコ” です。

今回は “マルノコ” の使い方と構造について詳しく説明します!

目次

マルノコとは?

マルノコとは丸い円盤状のノコ刃が高速回転し、木材等を切断する電動工具です。

DIYでの木材カット作業を飛躍的に向上させます。

ただし、誤った使い方をすると大変な事故につながる電動工具でもあります。

今回はノコ刃外径が165mmのマキタ製マルノコを使用し、使い方と構造について説明します。

構造と基本操作

マルノコ 側面

マルノコ 右側面

マルノコ正面

マルノコ正面

マルノコ 左側面

マルノコ 左側面

スイッチを握るとノコ刃が回転し、部材にベース部分を密着させ、本体を前方に進める事によりカットする事が出来ます。

スイッチを握りながらロックボタンを押し込むとスイッチが入った状態(ノコ刃が回転している)を保持してくれます。(再度スイッチを握り込むとロックボタンが解除されます。)

切り込み深さ調整

深さ調整レバー 緩める

深さ調整レバー 緩める

ベースを上げ下げ

ベースを上げ下げ

切り込みの深さ(ベースからのノコ刃の出)は調整レバーを緩め、ベースを上げ下げして任意の深さに調整します。

ただし、切り込み深さ調整部分の仕組みは機種・メーカーによって異なるので、個々の使用方法に従ってください。

ノコ刃交換

シャフトロック 押し込む

シャフトロック 押し込む

レンチで六角ボルト緩める

レンチで六角ボルト緩める

シャフトロックを押し込みノコ刃を固定したら、真ん中の六角ボルトをレンチで反時計回りに回し緩めます。

 

アウタフランジ、六角ボルト

アウタフランジ、六角ボルト

ノコ刃 取り外し

ノコ刃 取り外し

六角ボルト、アウタフランジを外し、ノコ刃を取り外します。

新しいノコ刃を取り付ける際は逆(インナフランジ・ノコ刃・アウタフランジ・六角ボルト)の順で取り付けてください。

 

ノコ刃取り付け方向

ノコ刃取り付け方向

ノコ刃を取り付ける際に注意すべき点はノコ刃の向き(裏表)です。

必ずノコ刃に記されている矢印の方向と本体に記されている矢印の方向を合わせて取り付けてください。

ちなみに矢印の方向がノコ刃の回転方向です。

 

直線カット

マルノコ定規

様々なサイズのマルノコ定規

様々なサイズのマルノコ定規

角度切断用マルノコ定規

角度切断用マルノコ定規

マルノコで真っ直ぐ正確な直線カットをするには、“マルノコ定規” が必要です。

角材の様な幅の狭い部材用から、板材の様な幅の広い部材用まで色々なサイズの物があります。

他には任意の角度にセットでき、角度カットが出来るマルノコ定規もあります。

 

マルノコ定規裏面

マルノコ定規裏面

マルノコ定規 使い方

マルノコ定規 使い方

マルノコ定規の裏面に部材に押し当てる為の出っ張りがあります。

出っ張りを部材にピッタリ押し当て、マルノコ本体のベース左側面を定規に密着させながらカットしていきます。

板材の切断加工

1×6材

1×6材

切り込み深さ

切り込み深さ

1×6材(厚さ・19mm、幅・140mm)を直線カットします。

切り込みの深さは、部材の厚みプラス2~3mm、ノコ刃が板厚より少し出るくらいにします。(ノコ刃の出し過ぎは危険です。)

 

墨線に合わせる

墨線に合わせる

任意の墨線にトップガイドの直角切断ガイドを合わせます。

この時ノコ刃は墨線の右際を切断していきます。

必然的に墨線の左側が使用する部材、左側が切り捨てる材となります。

 

切り進みます。

切り進みます。

スパッと。

スパッと。

マルノコのベースの左側面をマルノコガイドに、ベースの下面を部材にしっかり押し付けながら前方へ進めカットしていきます。

手鋸でのカットとは比べ物にならないほどキレイで真っ直ぐなカットが出来ます。

 

墨線に合わせます。

墨線に合わせます。

カットし始めます。

カットし始めます。

カット終了。

カット終了。

幅の広い厚さ12mmの合板をカットします。

使用するマルノコ定規が長くカットする長さも長くなってくると、マルノコが定規から離れたり、定規自体もぶれてしまいがちです。

マルノコ定規をクランプで固定し、定規からマルノコが離れないように注意してカットしてください。

角材の切断加工

45mm角材

45mm角材

カット。

カット。

スパッと。

スパッと

45mm角の角材をカットします。

幅の狭い部材をカットする時は、マルノコのベースと部材の接地面が少なくなるので、マルノコが前後にグラグラしがちです。

しっかりとマルノコの水平を保ちながら部材に密着させカットする様にします。

(カットする部材の前に同じ厚みの捨て板を挟んで接地面を増やしカットする方法もあります。)

 

90mm角材

90mm角材

墨付け

墨付け

ぐるりと一周。

ぐるりと一周。

90mm角の角材をカットします。

カットする箇所に墨線を引き、スコヤを使ってぐるりと一周墨線をまわします。

角材の4辺に墨線を引く方法に関しては、スコヤ・留め定規・自由定規・プロトラクターとは?使い方と機能について説明します。  の記事を参照してください。

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切り込み深さ測定

切り込み深さ測定

カット。

カット。

深さ半分カット。

深さ半分カット。

今回使用しているマルノコは刃の外径が165mmです。

このマルノコ刃の最大切り込み深さは56mm(この機種の場合)なので90mmの角材は一回でカットすることは出来ません。

片側から半分ちょい(47mm~48mm程度)の深さで切り込みし、反対側からも同じく切り込みして全体をカットしていきます。

 

反対側にセット。

反対側にセット。

90mm角材カット終了。

90mm角材カット終了。

反対側からカットしていくと最初の切り込みと段差を生じる事が往々にしてあります。

墨付けの精度、ノコ刃の垂直具合などをしっかり確認して切り口が平らになるようにカットしていきましょう。

キックバック!

マルノコを使用する際一番危険なのが “キックバック” です。

“キックバック” とはカット中にノコ刃が材の間に挟まり反発力が生じ、作業者の方へマルノコ本体が飛んでくる事です。

 

馬

マルノコを使用し切断作業を行う場合、部材を馬(作業土台)に乗せて行う事が多いです。

“キックバック” が起こる原因には、馬と切断箇所の位置関係が大きなポイントになります。

 

馬と馬の間を切断

馬と馬の間を切断

中央へ圧力

中央へ圧力

切断箇所を馬と馬の間に持ってきた場合、マルノコで切り進めていくと、部材の重さとマルノコの重さで徐々に切断箇所が沈んでいきます。

沈むと同時に両方の馬を支点として、切断箇所に向けて押す力が発生します。

この力がノコ刃を挟み込み、“キックバック” が発生する原因となります。

 

馬と切断箇所の位置関係

馬と切断箇所の位置関係

馬を使用してカットする時は、切断箇所から左側に馬をかませ固定し、右側にはなにもかませずフリーな状態にしておきます。

その様にすることでノコ刃を挟み込む事がなくなり、“キックバック” も起こらないようにできます。

 

傾斜カット

角度調整用ツマミネジ 前側

角度調整用ツマミネジ 前側

角度調整用ツマミネジ 後側

角度調整用ツマミネジ 後側

ノコ刃を傾ける

ノコ刃を傾ける

マルノコは本体前後の “角度調整用ツマミネジ” を緩めると、ノコ刃を傾ける事が可能で(45°まで)、傾斜カットが出来ます。

刃口板の調整

刃口板と刃口幅

刃口板と刃口幅

ベースの裏面を見ると可動式の “刃口板” が取り付けてあります。

直角切りをする時は刃口幅が最小になるよう刃口板をずらします。

刃口幅を狭くすることによって安定したカットが出来ます。

 

刃口板調整用ツマミネジ

刃口板調整用ツマミネジ

広がった刃口幅

広がった刃口幅

ノコ刃を傾けると、直角切りの刃口板の位置だとノコ刃と刃口板が干渉してしまいます。

刃口板調節用ツマミネジを緩めて刃口板の位置を調整します。

刃口板にノコ刃が干渉しないのは勿論ですが、安全カバーも正常に作動する位置に刃口板を固定します。

傾斜カット

トップガイド45°

トップガイド45°

45°傾斜カット

45°傾斜カット

今回は45°の傾斜カットをしていきます。

墨線にトップガイドの45°用を合わせます。

他の任意の角度にする場合は、ノコ刃を墨線に合わせて調整します。

マルノコ定規がずれ無い様しっかり保持してカットしていきます。

 

45°(留め)にカット

45°(留め)にカット

留め接合

留め接合

キレイに45°に傾斜カット出来ます。

箱などの角を留め加工でピッタリ接合する事が可能です。

この機種の最小切り込み深さは、45°の傾斜カットをした時で、37ミリとなります。

傾斜がゆるやかになっていくにつれて切り込み深さは大きくなっていきますが、傾斜カット可能な板厚かどうか実際にノコ刃を部材に当てて確認する事が必要です。

欠き取り加工

“相欠き継ぎ” を例として、マルノコを使用した “欠き取り加工” のやり方を説明します。

 

厚み30mm・幅40mmの角材

厚み30mm・幅40mmの角材

切り込み深さ調整

切り込み深さ調整

試し切り

試し切り

厚み30mm×幅40mmの角材を2本使用します。

欠き取る深さは15mm(厚み30mmの半分)、幅は40mmになります。

何度か試し切りをしながら正確な切り込み深さの調整をします。

 

左の墨線際をカット

左の墨線際をカット

ひっくり返す。

ひっくり返す。

両墨際カット終了。

両墨際カット終了

左の墨線の際に切れ込みを入れていきます。

左右を入れ替えて同じように切れ込みを入れていきます。

ノコ刃は墨線の右際をカットしていくので、欠き取る部分の両端を決めることが出来ました。

 

切り込み

切り込み

ノミでさらう。

ノミでさらう。

欠き取り完了。

欠き取り完了。

両端の切り込みの内側をマルノコで1~2mm程度の間隔に切り込みを入れていきます。

切り込み部分を玄能などで軽く叩きあらかた取り除いた後、ノミでキレイにさらいます。

 

はめ合わせます。

はめ合わせます。

相欠き継ぎ完成。

相欠き継ぎ完成

2本とも欠き取りが出来たらはめ合わせ、 “相欠き継ぎ” の完成です。

平行定規

平行定規

平行定規

ベース横に差し込む

ベース横に差し込む

平行定規装着。

平行定規装着

カラム2

部材を一定の幅でカットしたい時に使用するのが “平行定規” です。

本体ベースの側面に平行定規を差し込む穴があいていて、そこに差し込み固定して使用します。

 

平行定規しっかり沿わせる

平行定規しっかり沿わせる

しっかり沿わせる

しっかり沿わせる

一定幅でのカット終了

一定幅でのカット終了

平行定規を部材側面にしっかりと沿わせながら切り進んでいきます。

切り終わる瞬間にカットした部材がノコ刃と定規の間に挟まり前方に飛び出すことがあるので、十分注意し作業してください。

 

溝切り加工

溝切り加工

溝切り加工終了

平行定規を使用すると、溝切り加工も可能です。

自作定規制作。

マルノコ定規のセットの仕方

マルノコ定規のセットの仕方

市販のマルノコ定規はカットする墨線に直接あわせて使うことはできません。

ノコ刃やトップガイドを墨線に合わせたマルノコのベースに、マルノコ定規を合わせていく使用法になります。

 

 

自作のマルノコ定規

自作のマルノコ定規

コンパネ 厚み12mm

コンパネ 厚み12mm

墨線に直接合わせた状態でマルノコを押し当てると、墨線通りにカットが出来る、自作のマルノコ定規を作製していきます。

厚み12mmのコンパネ(コンクリート型枠用合板)を2枚用意します。

(合板の側面が定規面になるので、正確な直線になっている物を用意します)

コンパネはへたりずらいので何度も使用するマルノコ定規の材料として適しています。

幅は150mmと250mmを用意します。

長さはよく使うサイズ(1800mm・900mm・450mmなど)にするといいでしょう。

 

2枚のコンパネをずらして接着

2枚のコンパネをずらして接着

ノコ刃とベース端の間隔

ノコ刃とベース端の間隔

2枚のコンパネずらしてを接着します。

ずらし幅Aは、定規にそわせるベース左端とノコ刃の左側面との間隔Bより5~10mmほど広くします。

 

上のコンパネを定規にしてカット

上のコンパネを定規にしてカット

自作マルノコ定規完成

自作マルノコ定規完成

上に接着したコンパネをガイドに下のコンパネをカットしていきます。

ずらし幅Aを “ベース端からノコ刃左側面までの幅B” と同じ幅でカットして “自作マルノコ定規” 完成です。

 

墨線に合わせに行きます。

墨線に合わせに行きます。

定規を固定

定規を固定

切り込み深さ。

切り込み深さ。

自作の定規を使って直線カットしていきます。

墨線に合わせて行きます。

定規をクランプで固定します。

マルノコのベースはカットする部材に接しないで、定規上(コンパネの上)を移動するので、切り込みの深さは、(コンパネの厚み12mm)+(部材の切断可能切り込み深さ)になります。

 

カット。

カット。

墨線どうり定規の際どうり。

墨線どうり定規の際どうり

定規に押し当てながらカットしていきます。

墨線どうり、定規の際どうりにカット出来ます。

 

定規固定。

定規固定

カット。

カット

斜めカット完了。

斜めカット完了

自作定規では墨線に直接定規を合わせることが出来るので、角度をつけた切断も容易に出来ます。

 

集塵機能

粉塵排出口

粉塵排出口

ダストノズル装着。

ダストノズル装着

集塵機へ接続。

集塵機へ接続

マルノコを使用して作業すると、結構な量の切り屑(粉塵)が出ます。

マルノコ本体の粉塵排出口にダストノズルを装着すると集塵機と接続でき、衛生的に作業が出来ます。

まとめ

今回はマルノコについて使い方と構造について説明しました。

木工DIYでなにかオリジナルの物を製作する時にはまず部材を切り出すところから始めます。

“マルノコ“ を使用すれば、正確にカット出来ることは勿論、作業性が格段にアップする事間違いないです。

ただしキックバックなどに注意しながら安全に作業する事を心がけてください。

おススメのマルノコはコチラ⇨

参考にしてみてくださいね。

マルノコの使い方

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