束柱・根太でウッドデッキの土台を組み上げたら、いよいよ床板を張っていきます。
今回は床板に天然の木材ではなく、“アドバンスデッキ”(リーベ社オリジナル)という人工木を使用した床張り方法について説明します。
床板に天然木を使用した床張りに関しては、ウッドデッキの作り方。天然木による床張りのやり方とは? の記事を参照してください。
人工木 “アドバンスデッキ” とは?
人工木 “アドバンスデッキ” は、ウッドデッキ材の販売等を行っている “リーベ社” オリジナルの人工木のデッキ材です。
木材と樹脂を主原料とし、天然木の経年変化による腐食やひび割れ、ささくれが無く、塗装等のメンテナンスが不要なので、耐久性・コストパフォーマンスに優れたデッキ材です。
床材の規格は、厚み25mm×幅140mm×長さ2000mmで、フラット面とリブ面があります。
床材の中身は中空構造(空洞)になっています。
カラーはチークとブラウンの2種類があり、今回はチークを使用します。
アドバンスデッキには床板の他に、ウッドデッキの周りを覆う “幕板” があります。
床板の中空構造と違って、中が隙間なく詰まった構造になっています。
幕板の規格は、厚み13mm×幅96mm×長さ2000mmとなっています。
アドバンスデッキの施工方法
アドバンスデッキは、専用のジョイント金具を使用し床材を固定します。
床材の側面には溝があり、ジョイント金具・端部金具をはめ込んで使用します。
ビス止めで床板を固定する事も出来ますが、ジョイント金具を使用すると施工期間が短縮でき、床上面にビス頭が無いのですっきりとした外観に仕上げることが出来ます。
最初(1枚目)の床板の固定
床板の張り始めは正面側(母屋の向かい側)で、母屋側に向かって張り進めていきます。
アドバンスデッキの床板を使用する場合は、根太の間隔は400mm以内にしておきます。
今回のウッドデッキの横幅は3メートルになります。
はじめ右側にアドバンスデッキ床板・規格の2メートルをカットせずに張り、後から左側に1メートルにカットした床板を張ります。
端部金具を根太の端と面になる様に、ビス止め・固定します。
端部金具・ジョイント金具共に、固定用ビスには推奨商品があります。
今回は推奨商品の “錐込隊長” を使用していますが、金具にあいているビス穴・皿取部分は錐込隊長とピッタリ合う様になっています。
床板(溝部分)を端部金具にしっかりはめ込みます。
ョイント金具を端部金具の反対側に差し込んでいきます。
ジョイント金具のベース部分を床板と根太の間に差し込み、ツメを床板の溝にはめ込みます。
(ジョイント金具は、皿取加工してあるビス穴が手前に見える向きに差し込みます。)
ジョイント金具をビス止めし、1枚目の床板を固定する事が出来ました。
床板は端部金具・ジョイント金具の厚み分(1mm)、根太から浮いた状態で固定されることになります。
2枚目以降の接合
1枚目を固定したジョイント金具に、2枚目の床板をしっかりとはめ込みます。
1枚目の床板を固定したのと同じ様に、ジョイント金具の差し込み・ビス止めで2枚目の床板の固定が完了です。
以降は、2枚目の床板の固定方法を繰り返して、母屋側に張り進めていきます。
床板の幅は140mm、目地の幅(ジョイント金具を使用した場合)は8mmになるので、床板のピッチは148mmになります。
実際に床板を1枚1枚固定していくと、どうしても床板のピッチに誤差を生じてしまいます。
そのまま張り続けてしまうと、1枚目の床板との平行が崩れてしまい、床板を正確に張る事が出来ません。
何枚か床板を張ったら、1枚目に張った床板からの長さ(両端と中央の3カ所)を測り、ズレがあるようでしたらクランプ等で修正しながら張り進めます。
ジョイント金具のツメ部分は曲がりやすいので過度に力を加えないように注意してください。
誤差が大きくなる前に修正する様にします。
母屋側の最後の一枚は、横から差し込んで固定します。
床板を横から差し込む際、ジョイント金具のツメに当たらないよう避ける必要があります。
本来床板を取り付ける位置から10mm程度母屋側にずらして差し込んでいきます。
母屋と隣接する床板の間に10mm程度の隙間(差し込む際のずらし幅)をとることを計算にいれて、床面の大きさを設計しておく必要があります。
所定の位置に床板を差し込んだら、ジョイント金具にしっかりとはめ込みます。
端部金具を差し込み、皿取錐で下穴を開けたら、床板をビス止めします。
反対側も同じようにビス止めしたら、右側の床板張りの完了です。
アドバンスデッキのカットと断面の様子
ウッドデッキの左側の床板(アドバンスデッキ床材を1メートルに切断)を張っていきます。
アドバンスデッキは手鋸でも切断が可能ですが、今回はスライドマルノコを使用します。
スライドマルノコでカットすると、木材の場合と変わらず綺麗な切断面になります。
右側(2メートルの床板)と同じ様に、正面側から床板を張り始めます。
端部金具をビス止めしたら床板をはめ込み、ジョイント金具をビス止め・固定します。
右側(2メートルの床板)との隙間は8mm程度にします。
右側の床板と同じように、母屋側に向かって張り進めていきます。
床板を全面張り終えました。
幕板の固定・ウッドデッキの完成
ウッドデッキの周囲に幕板を固定していきます。
今回のウッドデッキは地面からの高さがあるので、幕板材を2枚使いし、幅広の幕板にします。
クランプで幕板を仮止めしたら、皿取錐で下穴を開け、ビス止め(錐込隊長を使用)していきます。
根太・束柱に向かって、幕板をビス止め・固定します。
周囲全てに幕板を固定したら、ウッドデッキの完成です。
まとめ
今回はウッドデッキの床材に、人工木の “アドバンスデッキ” を使用し、施工方法について説明しました。
人工木のデッキ材は天然木のデッキ材に比べて、耐久性高く、メンテナンスもほとんどいらない物が多いですが、価格が高いためDIYでは取り入れにくい材料です。
今回使用したアドバンスデッキは、天然木を使用した場合と材料費があまり変わらず、高耐久の人工木デッキ材です。
施工方法も専用金具を使用し、簡単・スピーディーに作業をする事が出来る面でもDIY向きの材料と言えます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。