ウッドデッキの構造と各部材の名称・寸法、基準となる設置間隔とは?

ウッドデッキの構造と名称

ウッドデッキをDIYで作ろうとした時、最初にどんな形・デザインにするか考え、設計図を書くことから始めます。

しかし、ウッドデッキの構造を理解していないと、設計図を書く事は勿論、その後の制作も上手くいきません。

そこで今回は、ウッドデッキの基本的な構造と各部材の名称・寸法、基準となる設置間隔について説明していきます。

目次

基礎・土台部分の構造と名部材の名称・寸法、設置間隔

ウッドデッキ基礎・土台

基礎・土台各部名称

基礎・土台各部名称

ウッドデッキの基礎と土台は、基礎石(束石・つかいし)束柱(つかばしら)根太(ねだ)と呼ばれる部材から構成されています。

基礎石(束石)

独立基礎のウッドデッキ

独立基礎のウッドデッキ

基礎石と束柱

基礎石と束柱

ウッドデッキの基礎は “独立基礎” と呼ばれる構造で作ります。

独立基礎の構造でデッキの支柱(束柱)一本一本を支えるのが、基礎石(束石)です。

基礎石(束石)はデッキをしっかりと固定・保持し、木製の束柱の腐食などの傷みを防ぐ役割を担います。

独立基礎の作り方に関しては、ウッドデッキの作り方。束石を使用した独立基礎の作り方とは? の記事を参照してください。

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羽子板付束石と普通の束石

羽子板付束石と普通の束石

コンクリートピンコロ

コンクリートピンコロ

基礎石にはコンクリートで成型された専用の “束石(つかいし)” やコンクリートピンコロが使用されます。

束石やコンクリートピンコロには ”羽子板付”があり、束柱とビス等で直接固定する事が出来ます。

 

束石上端の寸法

束石上端の寸法

束石の高さ

束石の高さ

使用する束石の大きさを決めるには、使用する束柱(後述)の寸法を基準とします。

束石の上端面に束柱がしっかりと収まるか確認しておきます。

高さはウッドデッキの設置場所の状況によりますが、平坦な場所に作る場合は150mm程度の高さの束石を選びます。

傾斜がきつい場所に作る場合は、高さが高い束石を選ぶ必要があります。(束石の高さが低いと束柱が地面と近くなってしまう・束石をしっかり固定する事が難しくなるため。)

 

コンクリート平板

コンクリート平板

ウッドデッキの高さをあまり高く出来ない場合は、コンクリート平板の様な高さが出ない物を基礎石として使用する事があります。

 

束石の設置間隔

束石の設置間隔

束石は束柱一本一本の真下に設置される為、束柱の設置間隔が束石の設置間隔となります。

土台部分(束柱・根太)の設計図から束石の設置場所を導き出す事になります。

 

束柱

束柱

束柱

束柱施工例

束柱施工例

束柱(模型)

束柱(模型)

ウッドデッキを支える柱が、”束柱(つかばしら)” です。

束柱は基礎石(束石)の上に乗せて立ち上げられ、根太(後述)を固定・支える部材になります。

 

90mm角の束柱

90mm角の束柱

束柱には、90mm角の高耐久の木材を使用するのが一般的です。

束柱に使用する木材に関しては、ウッドデッキに適したおススメの木材と選び方のポイントとは? の記事を参照してください。

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樹脂製束柱(マルチポスト)

樹脂製束柱(マルチポスト)

マルチポスト施工例

マルチポスト施工例

束柱には木材の他、樹脂製束柱(マルチポスト)を使用する場合もあります。

高さ調節が容易で、施工時間の短縮出来、大変便利です。

束柱・マルチポストの施工方法に関しては、ウッドデッキの作り方。土台の構造(束柱・根太)と作り方とは? を参照してください。

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束柱間隔

束柱間隔

マルチポストの施工間隔

マルチポストの施工間隔

束柱の設置間隔は一般的に900mm程度にします。

ただし、根太の太さによって束柱の設置間隔は前後します。

マルチポストなど木材以外の束柱の場合は、それぞれの施工方法に従った間隔をとって設置します。

 

フェンスやパーゴラのあるウッドデッキ

フェンスやパーゴラのあるウッドデッキ(模型)

束柱を伸ばしてパーゴラ支柱・フェンス支柱とする

束柱を伸ばしてパーゴラ支柱・フェンス支柱とする

ウッドデッキの構造に ”パーゴラ” や ”フェンス” (後述)を取り入れる場合は、束柱を伸ばしてパーゴラ支柱やフェンス支柱とします。

根太

根太施工例

根太施工例

根太と床板の方向

根太と床板が直角に交わる

床板を直接支え固定するのが、”根太(ねだ)” です。

根太は束柱に固定・支えられ、床板と直角に交わるように設置されます。

 

2×4材を根太に使用したウッドデッキ

2×4材を根太に使用したウッドデッキ

根太には、2×4材(38mm×89mm)を使用するのが一般的です。

床面の高さや使用する束柱によっては、2×6材(38mm×140mm)や70mm角材などを使用する場合もあります。

根太に使用する木材に関しては、ウッドデッキに適したおススメの木材と選び方のポイントとは? の記事を参照してください。

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外枠(赤色)を組む

外枠(赤色)を組む

450mm間隔で根太を設置

450mm間隔で根太を設置

ウッドデッキの土台は、根太と同じ材で外枠を組み(束柱に固定)、内側に等間隔で根太を配置・固定します。

根太に2×4材を使用する場合は、450mm程度の間隔で設置・固定します。

根太に2×4材より細い材を使用する場合は450mmより間隔を狭くし、太い材を使用する場合は間隔を広くする事が可能です。

 

大引き

大引き

床面が高く床下にスペースがある場合は、根太の下に直角に交わる ”大引き(おおびき)” と呼ばれる部材を設置・固定する事があります。

 

大引きが無い場合の束柱の設置位置

大引きが無い場合の束柱の設置位置

大引きを設置し、束柱を省略出来る箇所

大引きを設置し、束柱を省略出来る箇所

大引きを設置する事により、根太同士を固定し強固な土台になると共に、束柱を省略することが出来ます。

 

床面上部の構造と名称

床板

床板を根太にビス止め

床板を根太にビス止め

床板と床板の隙間・3mm~5mm程度

床板と床板の隙間・3mm~5mm程度

床板は根太に直接ビスで固定されます。

床板と床板の間には、水はけと通気の為の隙間を3mm~5mm程度取ります。

 

ジョイント金具をビス止め

専用金具で固定

人工木を使用した床板の固定

人工木を使用した床板の固定

床板に人工木を使用する場合は、専用の金具を使用して固定します。

床板同士の隙間は、使用する人工木によって設定された寸法になります。

 

床板には、幅105mm~120mm・厚み20mm~30mm程度の木材を使用するのが基準となります。(少し厚みがある2×4材や2×6材を床材として使用する場合もあります。)

基準寸法より厚みが薄い材を使用する場合は、根太の設置間隔を狭める必要があります。

人工木の床材を使用する場合は、根太を施工仕様書に従った間隔で設置します。

床板に使用する木材に関しては、ウッドデッキに適したおススメの木材と選び方のポイントとは? の記事を参照してください。

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幕板

幕板の無い状態

幕板の無い状態

幕板を取り付けた状態

幕板を取り付けた状態

ウッドデッキの側面を覆うように取り付けるのが、”幕板(まくいた)” です。

幕板を取り付けると、土台部分の連結を強固にし、ウッドデッキの側面をスッキリとした仕上がりにする事が出来ます。

フェンス・パーゴラ

フェンスとパーゴラ

フェンスとパーゴラ

パーゴラを構成する部材

パーゴラを構成する部材

”フェンス” は柵として転落を防ぐだけでなく、周囲からの目線を遮る目隠しの役目も果たします。

”パーゴラ” はイタリア語で ”ぶどう棚” をさす言葉で、つる系の植物を這わせ日陰を作ったり、照明などを吊るす事が出来ます。

パーゴラの構造はシンプルで、束柱を伸ばした支柱に桁(けた)を固定し、その上に垂木を渡す形になります。

一般的にフェンスは床上800mm程度、パーゴラは2000mm程度の高さに設定するので、フェンス支柱は束柱の長さ+800mm程度、パーゴラ支柱は束柱の長さ+2000mm程度になります。

 

まとめ

今回はDIYでウッドデッキを作る際に知っておきたい ”ウッドデッキの構造と各部材の名称・寸法、基準となる設置間隔” について説明しました。

ウッドデッキはシンプルな構造ですが、基準となる寸法(使用箇所に適した部材寸法や設置間隔)を知っておかないと良いウッドデッキを作る事が出来ません。

使用する材料によっても基準となる寸法は多少変わってきますが、今回説明した寸法を参考にしたウッドデッキ作りをおススメします。

ウッドデッキの構造と基準の寸法値を把握したら、次工程、ウッドデッキ作りのプランニング(設計・材料の購入・道具の準備)とは? に進みます。

ウッドデッキの構造と名称

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