植物をインテリアに取り入れる際、ポイントとなる鉢やポットカバー。
好みの物を探すのって大変ですよね。
そんな方におススメなのがDIYで自分好みに作ることが出来る “モルタル鉢” です。
今回は失敗しないモルタル鉢の作り方、お教えします。
用意するもの
- インスタントモルタル
- 型枠になる物(今回は外枠用にプラスチック容器、内側の空洞用に空ペットボトルを使用)
- シリコンスプレー
- バケツ、移植ゴテ
型の下準備
鉢の底の厚みを15mm程度にします。
今回の作り方は外枠にモルタルを入れた後に空洞用のペットボトルを押し込んで行く方法なので、底の厚みが分からなくなってしまいます。
底の厚みを15mmにした状態のペットボトルに、外枠上端と同じ高さの所へマスキングテープで印を付けておきます。
モルタルが固まった後、型を外そうとするとくっついて外れない!失敗した!なんて事がよく起こります。
その様な失敗を避けるために使用するのが、“シリコンスプレー” です。
シリコンスプレーとは吹き付けた素材表面にシリコンの被膜を作り滑りをよくしたり、金型の離型剤(型から外れやすくする)として使用されます。
シリコンスプレーの離型剤としての役割を利用し、型枠にモルタルがくっついて外れなくなるのを防ぎます。
外枠の内側、空洞用の型の外側にまんべんなくスプレーします。
今回使用する “KURE シリコンスプレー” は溶剤(シンナーなど)が含まれていないのでプラスチックやゴム、木にも使用出来ます。
モルタルを練る
インスタントモルタルをバケツに入れます。
インスタントモルタルが多少舞う場合があるので吸い込まないようにマスクなどをしておいたほうがいいでしょう。
少しずつ水を加えて練っていきます。
どのくらいの硬さが良いかというと、“カップアイスが融けて滑らかになった感じ” とでも言いますか… オシャレに言うと “ジェラートみたいな感じ” ですかね。
多少緩めでも構いません。
型にモルタルを充填する
練りあがったモルタルを型に入れていきます。
入れ過ぎると空洞用ペットボトルを押し込む際あふれてしまうので注意してください。
空洞用のペットボトルをマスキングテープの基準まで押し込んだら、数回トントンと軽く床に打ち付け中の気泡を抜きます。
丸一日以上乾かします。
モルタル・型のバリエーション
白いインスタントモルタルがあるので使用してみます。
水を少しずつ加え練っていくと非常に滑らかな感じになります。独特な匂いもします。
シリコンスプレーを吹いておいた型枠に入れ乾燥させます。
白ポリランバーを使用してビス止めで四角い型枠を作ります。
空洞用の型には70mm角の角材に養生テープを巻いておきます。(外枠、空洞用型共にシリコンスプレーを吹き付けておきます)
インスタントモルタルを適量入れたら空洞用型を押し入れ固定します。
四角い空洞用型は完成後には非常に抜き取りにくいので、乾燥し始めてから2~3時間後に抜き取っておきます。
モルタル鉢の完成
丸一日以上乾燥させたら、型枠から外します。
シリコンスプレーを塗ってあるのでスルリとはずれます。
モルタル鉢の完成です。
モルタル鉢のアルカリ性
今回使用したモルタルの原料である “セメント” は水と接すると強いアルカリ性を示します。
植物を育てるのに最適な土壌は弱酸性から中性と言われています。
モルタル鉢に直接土を入れて植物を育てるとセメントの強アルカリの影響を受けて生育が悪くなるのでは?と思いますよね。
セメントは硬化後空気に触れる事によって中性化すると言われていますが、実際に検証してみたいと思います。
リトマス試験紙を使ってアルカリ性を調べます。
赤のリトマス試験紙が青に変色したらアルカリ性ということになります。
完成直後(乾燥後)のモルタル鉢に水をいれ、丸一日経過させます。
赤色のリトマス試験紙を浸してみます。
使用前と比べると明らかに青色に変化していてアルカリ性を示しています。
この状態だと植物の生育に影響が出かねません。
一か月程放置しておいたモルタル鉢に水をいれ丸一日経過させます。
赤のリトマス試験紙を浸してみます。
するとほとんど色は変わらず中性になっているのが確認できます。
モルタル鉢は出来あがってすぐ使用するのは避け、一か月程経過しアルカリ性の影響が無くなってから使用するのが良いでしょう。
セメント・モルタル・コンクリートの違い
今回の鉢にはインスタントモルタルを使用しました。
ホームセンターに行くと “セメント” や “インスタントコンクリート” など色々種類があって何をどの様に使用するのか分からないと思います。
その違いと用途について説明します。
セメント
セメントとは石灰や石膏を原料とした粉末で、結合材・接着材の事を言います。
水を加えて練ると化学反応を起こして固まる性質があります。
セメントに水だけ加えて練った物を “ノロ” と言いますが、強度はあまりなく、目地材やひび割れの補修材として使われることがあります。
モルタル
モルタルとはセメントに砂と水を加え練りあげた物です。
通常セメント・1に対し砂・3の割合で混ぜ合わせます。(強度を上げたい場合 セメント・1に対して砂・2 の割合)
レンガ積みやブロック塀積みの目地材、ブロックの補修などに使われます。
回使用したインスタントモルタルはセメントにあらかじめ砂が配合されており水を加えるだけでモルタルが出来あがるものです。
商品名が “インスタントセメント” になっている物が多くややこしいですが、セメントに砂が配合されているものは基本 “モルタル” です。
コンクリート
コンクリートとは、セメントに砂と砂利を混ぜ、水を加えて練り上げた物です。
通常セメント・1、砂・3に対し砂利・6の割合で混ぜ合わせます。(強度を上げたい場合 セメント・1、砂・2、砂利・4 の割合)
建物本体や基礎、車庫などに使われます。
セメントに砂・砂利が配合されている ”インスタントコンクリート” は水を加えるだけでコンクリートが作れるので便利です。
まとめ
今回は、モルタル鉢の作り方を紹介しました。
失敗しないポイントは “シリコンスプレー” を型に吹き付けておく事と、空洞用の型を乾燥し始めて2~3時間後に抜き取っておくことです。
今回モルタルを使用しましたが、セメント・モルタル・コンクリートの違いと用途を理解し使用する事が出来る様になれば、DIYの幅も広がることでしょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。