フローリングやテーブルトップの柄として用いられる “ヘリンボーン” と呼ばれる模様。
元々は生地の織り方の一種で、開いた魚(ニシン)の骨の形に似ていることからヘリンボーン(ニシンの骨)と言われています。
今回はヘリンボーン柄のサイドテーブルの作り方と、使用した7色のブライワックスの色味を紹介します。
今回制作するヘリンボーン柄のサイドテーブルはコチラです。(ガラスをテーブルトップにはめ込んでいます)
材料と道具
天板材料
- 天板・ベース板 ラワン合板・厚み・12mm×幅・約455mm×長さ・約610mm(仕上がり寸法・幅・445mm×長さ・600mm)
- ヘリンボーン柄部材 杉KD材・厚み・15mm×幅・45mm×長さ・180mm 約50本
- 枠材(長手) 杉KD材・厚み・15mm×幅・32mm×長さ・630mm(内寸600mm) 2本
- 枠材(妻手) 杉KD材・厚み・15mm×幅・32mm×長さ・475mm(内寸445mm) 2本
- 強化ガラス 厚み・5mm×幅・445mm×長さ・600mm 1枚
- 木工用接着剤・ウエス
- 隠し釘
脚部フレーム材料
- パイプジョイント金具・L継ぎ 8個
- パイプジョイント金具・T継ぎ 6個
- スチールパイプ(外径25.4mm 厚み1.2mm) 長さ・465mm・3本 長さ・370mm・2本 長さ・280mm・4本
- サドルバンド 4個
塗装系
- ブライワックス(アンティークブラウン・アンティークマホガニー・ダークオーク・オールドパイン・ジャコビーン・チーク・ウォルナット)
- 艶消し塗料・ブラック
- サンドペーパー
- ウエス・手袋
- マスキングテープ
道具
- マルノコ・マルノコ定規
- スライドマルノコ
- 玄翁
- トリマー(角面ビット)
- パイプカッター
- ドライバー
- インパクトドライバー
ブライワックスを7色使用し塗装。
ブライワックス。
ブライワックスとは、1860年に英国で家具用に開発された蜜蝋ワックスです。
木製品の保護、着色・ツヤ出しなどに使用され、近年DIYで大変人気があります。
15の色がラインナップされており、今回はその中から7色を使用しました。
ブライワックスの塗り方
ヘリンボーン柄部材(杉KD材)にブライワックスを塗装していきます。
ブライワックスは緑色のプラスチックの蓋を取ると、しっかりした中蓋があります。
塗料缶オープナーがあると簡単にあけることが出来、便利です。
ブライワックスは天然の蜜蝋を使用していますが、有機溶剤も成分に含まれているためにおいがあり、十分な換気をしながら塗布していきます。
気温が20℃を超えてくると軟化・液状化してきますが、涼しい場所で保管すると元に戻ります。
ウエス(布)に適量とり、木材に塗布します。
木目に沿ってムラ無く塗りこみます。
今回は部材の裏側に木工用接着剤を塗布し接着する為、裏面にはワックスを塗りません。
15分~30分程度乾燥させます。
使用したウエス(布)はそのままにしておくと自然発火の恐れがあるので、必ず水につけて処分してください。
ブライワックス・7色の色見本
今回使用したブライワックス7色の色見本を紹介しておきます。
ブライワックスを塗装したヘリンボーン柄部材は、杉のKD材で表面は滑らか、白っぽい色です。
木材の種類によって塗装のノリが変わってくるので、あくまでも目安として塗料選びの参考にしてください。
アンティーク・ブラウン
アンティーク・マホガニー
ダーク・オーク
オールド・パイン
ジャコビアン
チーク
ウォルナット
左上から
- ウォルナット
- オールドパイン
- ダークオーク
- アンティークマホガニー
右上から
- 無塗装
- アンティークブラウン
- チーク
- ジャコビアン
部材をヘリンボーン柄に貼り付けます。
ヘリンボーンテーブルの天板のベースは12mm厚のラワン合板を使用しますが、テーブルの仕上がり寸法より幅・長さ共に5mm程度大きい寸法で用意します。
ベースのラワン合板に、ブライワックスで塗装した部材を張り合わせていき、ヘリンボーン柄にしていきます。
ラワン合板の中央に基準線を墨付けします。
ヘリンボーン柄の基準となる部材の位置を決めます。
部材の角をラワン合板の長手面と合わせ、もう一方の角を中央に引いた墨線に合わせます。
この際、部材が45度の角度(墨線寸法とラワン合板寸法が等しい直角に三角形にする)になる様に設置します。
準材の木口面に新たな部材の木端面を突き当てます。
突き当てた状態で基準材の木端面と新たな部材の木口面が一直線(面・つら)になる様にします。
おのずと新たな部材の角がラワン合板の中央の墨線と合わさります。
二つの部材の位置を基準とし、位置を墨付けします。
部材の裏面に木工用接着剤を塗布し、墨線・位置に注意して貼り付けていきます。
クランプ等での圧締はしないので、部材とラワン合板をすり合わせてしっかりと接着します。
接着した基準の部材に合わせて、新たな部材を接着していきます。
墨線・位置を確認しながら同じ工程を繰り返し、ヘリンボーン柄を作っていきます。
ベースのラワン合板から部材がはみ出ても構いません。
中央の柄が張り終えたら、左右の部材を中央の部材に合わせて接着していきます。
周辺の残ったスペースに部材を接着します。
接着する箇所に部材をあてがい、裏面にラワン合板に沿った墨線を引きます。
スライドマルノコ等で墨線より5mmほど大きめにカットしておきます。
最終的にベースのラワン合板よりはみ出た部分はカットするので、部材の余白はだいたいの大きさで構いません。
スライドマルノコの使い方等に関して詳しくは、スライドマルノコとは?機能と使い方を ”マキタ・LS1014” で説明します。 の記事を参照してください。
ベースのラワン合板全面に部材を張り終えました。
マルノコで余分な部分をカット、外枠材取り付け・塗装
天板を裏返し、マルノコとマルノコ定規を使って、仕上がり寸法(外枠を除いた天板の寸法・幅445mm×長さ600mm)にカットします。
マルノコ・マルノコ定規の使い方は、マルノコの使い方と構造について詳しくお教えします。 の記事を参照してください。
余分な部材をカットした天板の周りに枠材を取り付けます。
長手材は内寸を600mm、妻手材は内寸を445mmの長さにし、端部を45°(留め)にカットします。
今回のサイドテーブルは、天板の上に5mm厚の強化ガラスをのせる “ガラストップテーブル” に仕上げます。
天板と枠材に5mmの段差をとり、ガラスをはめ込む構造にします。
枠材の内側になる角の面を取ったら、木工用接着剤を塗布し、隠し釘で固定します。
木工用接着剤が乾くまでしばし待ちます。
隠し釘の使い方に関しては、古材風フレームの ”黒板” をDIY!マグネット塗料と黒板塗料の塗り方とは?を参照してください。
木工用接着剤が乾いたら隠し釘の頭を玄翁で取り除き、トリマー・角面ビットで枠材の外側を面取りします。
サンドペーパーで枠材全体を素地調整しておきます。
トリマーの使い方等詳しくは、トリマーの使い方と構造について詳しく説明します。 の記事を参照してください。
枠の内側をマスキングテープで養生したら、枠材にウエスでブライワックス・ジャコビーンを塗布します。
枠材の取り付け・塗装が完了しました。
スチールパイプ(外径25.4mm)で脚部を組み立て
スチールパイプ(外径25.4mm 厚み1.2mm)とジョイント金具(L継ぎ・T継ぎ)を使って、サイドテーブルの脚部を組み立てていきます。
パイプカッターでスチールパイプを切断
スチールパイプを切断するのに、“パイプカッター” を使用します。
パイプカッターはローラーとカッター刃の間にパイプを挟み込み、パイプカッター自体を回転させ、パイプを切断する工具です。
ハンドルの軸がネジになっており、時計回りにハンドルを回すとカッター刃がローラーに向かって移動します。
ハンドルを回しカッター刃をパイプに徐々に食い込ませる事で切断する仕組みです。
この機種はプッシュレバーを押すと、バネの力でローラーとカッター刃の間が最大に開き、ワンタッチで切断箇所にパイプカッターをセットする事が出来ます。
カッター刃は固定ネジを外して交換する事が出来ます。
パイプの素材によって使用するカッター刃の種類が異なるので注意してください。
パイプの切断位置に油性ペンで墨付けします。
切断墨にカッター刃を合わせたら、ハンドルを軽く締め、パイプカッターを固定します。
パイプカッターを1~2回転させ、パイプに切り込み線をつけます。
切り込み線が螺旋(らせん)状(切り込み線がずれている)になっていないか、きちんと繋がっているか確認します。(切り込み線がずれている場合は切断位置を移動してやり直しです。)
ハンドルを少し締め増しし、パイプカッターを数回回転させます。
この動作を繰り返すと、徐々にカッター刃がパイプに食い込んでいきます。
パイプが切断出来るまで、動作を繰り返します。
切断面はパイプ内側にバリが出ますが、ジョイント金具で隠れるのでバリ取りはしません。
パイプジョイント金具でスチールパイプを連結し、脚部フレームを組み上げ
パイプジョイント金具にサンドペーパーでやすりがけし、エイジング加工しておきます。
パイプジョイント金具は付属のネジを締め込むとスチールパイプと固定出来る仕組みです。
スチールパイプをパイプジョイント金具の奥のでっぱり部分まで差し込み、ネジを締め固定します。
脚部のパーツをパイプジョイント金具を使って組み上げていきます。
脚部パーツを連結し、脚部フレームの組みあがりです。
脚部フレーム全体にエイジング塗装を施します。
艶消し塗料・ブラックをウエスに適量取り、擦り付ける様に塗布します。
全体的にエイジング塗装出来たら、脚部フレームの完成です。
天板と脚部フレームを固定・ガラスのはめ込み・サイドテーブル完成
配管等を固定するサドルバンドを使用し、天板と脚部フレームを固定します。
天板裏面からサドルバンドで4ヶ所ビス止めします。
5mm厚の強化ガラスを天板にはめ込みます。
ヘリンボーン柄のサイドテーブルの完成です。
まとめ
今回は人気のブライワックスを7色使用した、ヘリンボーン柄のサイドテーブルの作り方を紹介しました。
ブライワックスの色見本は木材の種類によって変わりますが、購入時の参考にしてみてください。
ヘリンボーン柄を作る事は難しくないので、DIYで色々なものに取り入れてみてくださいね。