DIYでウッドデッキを作るとなったら、まずやるべきことは “プランニング” です。
ウッドデッキのプランニングとは、設計(設置場所を決める・デザインの構想・設計図を描く)、材料の購入、道具の準備までを細かく計画しておくことです。
最初のプランニングをしっかり立てておくことで、後工程に失敗なくウッドデッキを作り上げることが出来ます。
今回はウッドデッキ作りのプランニングについて説明していきます。
ウッドデッキ設置場所とデザイン(構造)決め
ウッドデッキを作る際に一番最初にやることは、設置場所の選定です。
ウッドデッキは一度作ると移動が出来ません。
自宅の庭に作る場合は、庭全体のレイアウトを(将来的な事も考慮して)決めた上で、ウッドデッキをどのように使用するのか?周囲の環境(目線など)はどうか?等を考慮し設置場所を決めます。
設置場所が決まったら、作りたいウッドデッキのデザインを描き出します。
ラフスケッチで構いませんが、取り入れたい構造(ステップやフェンス、パーゴラなど)もなるべく描き込んでおきます。
ウッドデッキ設置場所の確認・採寸
設置場所の状態確認
ウッドデッキの設置場所がどのような状態なのかを確認します。
- 地面が土、もしくはコンクリートや砂利の様なものかどうか。
- 地面に障害物(雨水浸透枡など)は無いかどうか。
- 地面が傾斜しているかどうか。
- 住居の出っ張りや扉の開閉の確認
設置場所の状態を確認する事で、設置可能なウッドデッキの大きさや設置方法を把握する事が出来ます。
設置場所の採寸
設置場所の確認が出来たら、各部の採寸をしていきます。
ウッドデッキの完成形をイメージしながら(ラフスケッチを元に)、平面の広さ(床面の大きさ)がどの程度になるか採寸します。
ステップなど床面からはみ出る部分がある場合は、きちんと設置場所に収まる様に考慮して採寸します。
実際に長尺の木材を地面に置いて採寸作業をすると、ウッドデッキの出来上がりをイメージしやすく、ステップの収まりや通路の幅などが把握しやすくなります。
ウッドデッキは通常、建物に隣接して設置する事が多いので、採寸の際は建物を基準にします。
高さの採寸は、地面から床面までを採寸します。
住宅の出入り口(掃き出しの窓など)を基準にし、床板の最適な高さを決めて採寸します。
フェンスやパーゴラなどを設置する場合は、その高さ(フェンスは床上800mm、パーゴラは床上2000mm程度の高さが一般的)に障害物がないか確認しておきます。
設計と使用材料決め
設計図を書く準備
設計図は実物の縮尺で描くため、手書きの場合は方眼紙を用意し縮尺のスケールを使用すると正確に描くことが出来ます。
CADと呼ばれる設計ソフトを使用すれば、パソコンで早く正確に描くことが出来ます。
CADには “JW-CAD” などの無料ソフトがあり、ウッドデッキのような単純な構造物であれば、簡単に設計図が描けます。
設計図を書く前に、基本の構造や部材の寸法・設置間隔などについて理解しておく必要があります。
詳しくは ウッドデッキの構造と各部材の名称・寸法、基準となる設置間隔とは? の記事を参照してください。
平面図と立面図
設計図には二つの視点から見た図が必要です。
ウッドデッキを真上から見た図が “平面図” 、真横から見た図を “立面図” と呼びます。
平面図には、ウッドデッキの広さ(床面の大きさ)や束柱・根太の位置や長さを書き込みます。
立面図には、床面の高さ、束柱・基礎石の高さなどを書き込みます。
平面図
床面の寸法決め・床板の選定
設置場所の採寸とデザインを基に、ウッドデッキの平面寸法=床面の寸法を決めていきます。
床面の寸法は、使用する床板の種類(樹種、材の幅)を選んで基準とすると、決めやすくなります。
床板を張る時に長さは容易にカット・調整出来ますが、幅の調整は長尺の床板を割く事になり加工が難しくなります。
床板の幅は加工せず、製材されたまま使用するのが一般的です。
床板を張る間隔は、“床材の幅+隙間(雨水が床にたまらない様にする・通気の為。隙間は3~5mm程度取ります。)” になります。
※床材の幅は樹種にもよりますが、南洋材のハードウッドを使用する場合は105mm~120mm程度(厚み20mm~30mm程度)の材を使用するのが一般的です。
床板を張る間隔を決めたら、間隔の倍数が採寸した寸法内に収まる様にし、床面の寸法を決めます。
(床材の長さ方向の寸法もなるべく端材が出ないように、木材の長さの規格を考慮し寸法を決めます。2×4材の規格に関してはホームセンターで購入出来るDIYに適した木材の種類とは?の記事を参照してください。)
ウッドデッキのデザインや構造によって幕板を張る場合、床板の周囲を囲む様に取り付けるので、採寸した寸法から幕板の厚みを差し引き、床面の寸法を求めます。
土台部の構造(配置と寸法)を決める
床面の寸法を基準に、土台部(束柱・根太)の構造(配置と寸法)を決めていきます。
束柱(90mm角の材を使用)は900mm間隔、根太(2×4材を使用)は450mm間隔で設置するのが一般的な基準です。
基準をもとにして、束柱・根太を配置していきます。
立面図
床面の高さ設定(束柱の長さ決め)
採寸をもとに、束柱の長さを決めていきます。
束柱は地面に直接設置せず、かならず基礎石の上に乗せて設置します。
基礎パッキンを基礎石と束柱の間にかませることもあるので、採寸した寸法から基礎石+基礎パッキンの厚みを差し引いた値が束柱の長さになります。(束柱の長さを決める段階で、使用する基礎石・基礎パッキンを決めておく必要があります。)
ただし、基礎石を設置する場所は必ずしもすべて同じ高さでない為、正確な束柱の長さを求める事は出来ず、あくまでも木材を用意する時の目安の寸法として利用します。
フェンスやパーゴラを設置する場合は、束柱を伸ばして支柱とします。
一般的にフェンスは床上800mm程度、パーゴラは2000mm程度の高さに設定するので、フェンス支柱は束柱の長さ+800mm程度、パーゴラ支柱は束柱の長さ+2000mm程度になります。
材料の概算・購入、道具の準備
木材・金物
図面をもとに、各部材の必要な量の概算を出し、購入します。
概算を出す際のポイントは、“歩留まりを良くする” 点です。
歩留まりとは、無駄になる端材をなるべく出さずに加工・使用する事です。
使用する木材の規格と各部材の寸法(長さ)を照らし合わせて、極力無駄を出さないように必要な量を計算します。
ホームセンターなどで直接目で見て購入する場合は木材の状態を確認できますが、ネット購入の場合はどのような状態の木材が届くかわかりません。
歩留まりよく注文する事は大事ですが、状態の良くない材が届いたときのために、多少予備の材料を購入しておくことも必要です。
ウッドデッキ材としての木材に関してはウッドデッキに適したおススメの木材と選び方のポイントとは?の記事を参照してください。
ウッドデッキの接合にはビス止めで行うのが一般的です。
野外使用なのでステンレス製を使用しますが、普通のステンレスビスは強度が弱く、ネジ切れ(ネジの頭が折れてしまうこと)を起こしてしまいます。
特殊処理を施してある堅木用ステンレスビス “錐込隊長” を使用すると、ネジ切れなどのトラブルなくビス止めを行うことが出来ます。
図面からビス止め箇所を把握し、使用するビスのサイズと本数の概算を出してから購入しておきます。
基礎部資材
ウッドデッキでは、“独立基礎” という方法で基礎作りをする為、束柱の数だけ基礎石が必要になります。
基礎石には様々な種類がありますが、束石やコンクリートピンコロなどが一般的に使用されます。
床面までの高さが低い場合は、コンクリート平板などの厚みが薄い物を基礎石として使用します。
基礎石(束石)を使用した独立基礎に関してはウッドデッキの作り方。束石を使用した独立基礎の作り方とは?の記事を参照してください。
基礎石の下には、砂利とコンクリートを敷き込みます。
砂利とコンクリートは使用する総量が把握しずらい材料です。
少なめに購入し後から追加するのが良いでしょう。
コンクリートは量が分かりやすい “インスタントコンクリート” 使用する事をおススメします。
束柱を痛みにくくする為に基礎石と束柱の間にパッキンを挟み込むやり方があります。
その場合は住宅用の基礎パッキンを流用し、束柱の本数分用意する必要があります。
塗装用品
ウッドデッキの耐久性をよくするために、木材保護塗料を塗装しておきます。
塗装は普通の刷毛で十分ですが、塗料の種類や塗装する箇所によってコテ刷毛やステイン用コテ刷毛を使用すると作業性が上がります。
木材保護塗料に関してはウッドデッキに適したおススメの木材保護塗料とは?木材保護塗料の種類と比較、選ぶ際のポイントを説明します。の記事を参照してください。
必要な道具類確認
ウッドデッキは比較的大きな構造物になり、道具類も多くなります。
なるべく現在ある道具で作っていきたいですが、精度の良いウッドデッキを作るとなると必要になる道具も出てきます。
道具に関してはDIYでウッドデッキを作るのに必要な道具とは?の記事を参照してください。
まとめ
今回はウッドデッキを作る際に一番最初に行う工程 “プランニング” について説明しました。
プランニング(設計・材料の購入・道具の準備)をしっかり行っておくことで、失敗やトラブルを避ける事が出来ます。
参考にしてみてくださいね。
プランニングが出来たら、いよいよウッドデッキを作り始めます。
次の工程はウッドデッキの作り方。地縄張り・水盛り・遣り方のやり方とは?です。