蝶番(丁番)の種類と使い方、取り付け方法とは?まとめ

家具や建具の開閉部分になくてはならない金物が、”蝶番(ちょうつがい・ちょうばん)” です。

蝶番には様々な種類があり、それぞれ使い方や取り付け方法が異なります。

実例を元に、蝶番の種類・使い方・取り付け方法について分かりやすくまとめました。

目次

蝶番(丁番)とは?

蝶番 名称

蝶番 名称

蝶番 芯棒

蝶番 芯棒

家具や建具(扉や蓋など)の開閉部に使用されている金具が、”蝶番(ちょうつがい)” です。

形状が蝶に似ている為その名が付きましたが、現在は略字の ”丁番” が用いられることが多く、呼び名も ”ちょうばん” と呼ばれています。

英語では、hinge(ヒンジ)” と言います。

(今後は ”丁番(ちょうばん)” を用いて説明していきます。)

丁番の基本構造は、2枚の同形状の羽根が並び、中央の管に芯棒を通す事で、芯棒を軸に羽根が回転する仕組みになっています。

回転軸はどの丁番にもある構造ですが、羽根の形状が異なる丁番や、回転軸が多軸構造の丁番など様々な種類があり、使用する場所に適した丁番を選び正確に取り付ける必要があります。

平丁番・抜き差し丁番・フラッシュ丁番

平丁番

平丁番

平丁番の一般的な使用例

平丁番の一般的な使用例

一般的に丁番と呼ばれ、最も多く使用されているのが、”平丁番” です。

サイズが豊富で多様な箇所で使用されています。

 

抜き差し丁番

抜き差し丁番

抜いた状態

抜いた状態

”抜き差し丁番” は、片方の羽根に芯棒が付属し、もう片方は管のみになっており、2枚の羽根が分離し抜き差しが可能な丁番です。

扉の取り付け(吊り込み)取り外しが容易で、メンテナンス等がしやすい利点があります。

 

扉・取付枠それぞれに丁番を固定

扉・取付枠それぞれに丁番を固定

取付枠の芯棒に扉の管を上から差し込む

取付枠の芯棒に扉の管を上から差し込む

抜き差し丁番の取り付け完成

抜き差し丁番の取り付け完成

平丁番は蓋の開閉部の様な横並びでの使用が可能ですが、抜き差し丁番は横並びでの使用は出来ず、必ず上下方向に取り付け・使用します。

 

フラッシュ丁番(閉じた状態)

フラッシュ丁番(閉じた状態

外側・内側それぞれの羽根(開いた状態)

外側・内側それぞれの羽根(開いた状態)

フラッシュ丁番の取り付け完成

フラッシュ丁番の取り付け完成

”フラッシュ丁番” は、平丁番の様な左右に均等な大きさの羽根が無く、片側の羽根が外側と内側の羽根に分割されており、それぞれ取付枠と扉に取り付け固定する仕組みになっています。

その為、扉を閉めた時の取付枠と扉の隙間が羽根の厚み片側一枚分になり、羽根の厚みの欠き取り不要で取り付けが出来ます

 

平丁番・抜き差し丁番・フラッシュ丁番に関しては 平丁番・抜き差し丁番・フラッシュ丁番の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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ピボットヒンジ(Pヒンジ・キャビネットヒンジ・ピボットヒンジ)

Pヒンジ使用例

Pヒンジ使用例

キャビネットヒンジ使用例

キャビネットヒンジ使用例

”ピボットヒンジ” は扉の上下に取り付けられ(回転軸となる)、扉の開閉を担う丁番になります。

”軸吊り丁番” とも呼ばれ、丁番が扉の上下に取り付けられる事ですっきりとした見た目になります。

 

Pヒンジ

Pヒンジ

キャビネットヒンジ

キャビネットヒンジ

ピボットヒンジ(スプリング式)

ピボットヒンジ(スプリング式)

ピボットヒンジには、取り付け方法や形状・使い方の違いから、”Pヒンジ” ”キャビネットヒンジ” ”ピボットヒンジ” と呼び名の異なる丁番があります。

 

ピボットヒンジ(Pヒンジ・キャビネットヒンジ・ピボットヒンジ)に関しては ピボットヒンジ(Pヒンジ・キャビネットヒンジ・ピボットヒンジ)の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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アングル丁番

アングル丁番(開いた状態)

アングル丁番(開いた状態)

アングル丁番(閉じた状態)

アングル丁番(閉じた状態)

アングル丁番使用例

アングル丁番使用例

”アングル丁番” は、キャビネットなどの扉に使用され、扉内側(止め穴加工をする)と取付枠の側板にネジ止め固定し、扉の開閉を担う丁番です。

 

アングル丁番に関しては アングル丁番の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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スライド丁番

スライド丁番本体と取付座金

スライド丁番本体と取付座金

”スライド丁番” は、扉側に固定する丁番本体と、家具の本体側(側板や仕切り板)に取り付ける取付座金の2つのパーツから出来ており、他の丁番と構造が大きく異なります。

 

扉が閉まった状態

扉が閉まった状態

扉を開けていきます

扉を開けていきます

スライド丁番が現れる

スライド丁番が現れる

スライド丁番はキャビネット(棚)の内側に取り付ける為、扉が閉じてる時には外から見えません。

スライド丁番を使用する事によりスッキリとした外観に仕上げる事が出来ます。

 

調整ネジ

調整ネジ

調整ネジを回す

調整ネジを回す

扉を前後・左右・上下に調整

扉を前後・左右・上下に調整

スライド丁番は、丁番本体・取付座金に付属している調整ネジを回して、扉の位置を前後・左右・上下に微調整する事が出来ます。

他の丁番は位置決めや取付を正確に行わないと、扉の開閉に支障が出たり、位置がずれたりしてしまいます。

スライド丁番は後から微調整が出来る利点があり、DIYにおいては便利な丁番と言えます。

 

スライド丁番に関しては、スライド丁番とは?取り付け方と種類についてお教えします  の記事で詳しく説明しています。

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隠し丁番

掘り込み・ネジ止めタイプ

隠し丁番・掘り込みネジ止めタイプ

円筒タイプ

隠し丁番・円筒タイプ

隠し丁番を取り付けた扉を開いた状態

隠し丁番を取り付けた扉を開いた状態

扉閉時に丁番が隠れる

扉閉時に丁番が隠れる

”隠し丁番” は、扉や折れ戸に使用され、その名の通り、扉の閉時に外側から見えなくなる丁番です。

扉の閉時に完全に見えなくなるので、家具や建具の外観をスッキリ見せることが出来ます。

掘り込み加工を施しネジ止めするタイプや、下穴をあけ取り付ける円筒タイプがあります。

 

かぶせ扉(アウトセット扉)

かぶせ扉(アウトセット扉)

インセット扉

インセット扉

折れ戸

折れ戸

隠し丁番は、取付位置によって、扉(かぶせ扉、インセット扉など)折れ戸などの丁番として使用されます。

 

隠し丁番に関しては、隠し丁番の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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ドロップ丁番

ドロップ丁番

ドロップ丁番

ドロップ丁番の使用例(前開きの扉に取付)

ドロップ丁番の使用例(前開きの扉に取付)

”ドロップ丁番” とは、テレビボードやライティングテーブルなど下向きに開く扉に使用される丁番です。

扉側・取付枠側両方に止め穴加工をし、ネジ止め・固定します。

 

扉の開閉は90°

扉の開閉は90°

扉内側と取付枠地板面がフラットになる

扉内側と取付枠地板面がフラットになる

ドロップ丁番は、扉の開閉が90°まで可能です。

(ドロップ丁番は、扉の開いた状態を保持する金物 ”ステー” と一緒に使用されることが多い)

扉を全開にした時(90°開く)、扉と取付枠底面がフラットになるのが特徴で、出っ張りがないため収納物の出し入れが容易になります。

 

ドロップ丁番に関しては、ドロップ丁番の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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ミシン丁番・長丁番

ミシン丁番

ミシン丁番

長丁番 ピアノ丁番 

長丁番(ピアノ丁番)

”ミシン丁番・長丁番” は、折りたたみ式のテーブルや下開きの扉に使用される丁番です。

長丁番は、ピアノの鍵盤の蓋に使用されるので ”ピアノ丁番” とも呼ばれます。

 

ミシン丁番の取り付け

ミシン丁番の取り付け

面付けで取り付ける

長丁番の取り付け

取り付け方法は、基本的に面付けで取り付けられます。

(面付けとは、取り付け箇所に加工をせず、そのまま丁番をネジ止めして取り付けること)

ミシン丁番・長丁番共に、180°の開閉が可能です。

 

ミシン丁番・長丁番に関しては、ミシン丁番・長丁番の使い方と取り付け方法とは? の記事で詳しく説明しています。

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