エイジング塗装の一つに、塗装が風化してひび割れを起こしている状態を再現する “クラック塗装” があります。
クラック塗装ってどうやるの?そんなあなたに “オールクラックアップ(OLD VILLAGE PAINT 社製)” という塗料を使用したクラック塗装のやり方をお教えします。
必要な物
前回、脚物家具の基本、椅子の作り方お教えします。 で製作した椅子に塗装していきます。
塗料
- オールクラックアップ
- ターナーミルクペイント・ディキシーブルー
- ターナーミルクペイント・スノーホワイト
- ターナーアンティークワックス・ラスティックパイン(汚し加工)
道具等
- ペーパーやすり
- 刷毛
塗装工程
今回のクラック塗装の工程は次のとうりです。
- 前回作った椅子の素地調整
- 下地塗装(ターナーミルクペイント・ディキシーブルー塗装)
- 座面の隙間など塗りにくいところにあらかじめ上塗り塗料(ターナーミルクペイント・スノーホワイト)を塗装
- “オールクラックアップ” を塗布
- 上塗り塗料(ターナーミルクペイント・スノーホワイト)を塗装
- 上塗り塗料2度塗り(好みで)
- ペーパーやすりで研磨し仕上げ
※素地調整とは塗装前に塗装面をペーパーやすりなどで研磨し、傷や汚れを取り除き平滑にする事です。そうすることで塗装のすいこみを均一にし剥離などのトラブルを起こりにくくします。
下地塗装
脚物家具の基本、椅子の作り方お教えします。 で製作した椅子に塗装を施していきます。
ペーパーやすり(#180程度)で木目に研磨し、角部分の面を取っておきます。(素地調整)
下地に “ターナーミルクペイント・ディキシーブルー” を塗装します。
塗り残しないように刷毛で塗装していきます。
1度塗りで下地塗装を完了とし、、1日程度乾燥させます。
塗りにくい所の塗装
クラック塗料を使用する時の最大の難点が、“上塗り塗料を塗る時は一発勝負” になってしまう所です。
一回塗った所をすぐに塗り直ししてしまうと、ひび割れが起こらずに “オールクラックアップ” 塗料がダマになって失敗してしまいます。
その様な状態にならないように塗りずらい隙間や隅にあらかじめ上塗り塗料(ターナーミルクペイント・スノーホワイト)を塗装しておきます。
オールクラックアップ塗装
“オールクラックアップ” を刷毛で塗装していきます。
“オールクラックアップ” は少しドロッとして、茶色系に見えますが刷毛に取ってみると透明です。
注意すべきポイントは “塗装する方向” です。
“オールクラックアップ” は 仕上げの上塗り塗料(スノーホワイト)の塗装方向に対して直角方向に塗装します。
上塗り塗料は木目方向に塗装するので、“オールクラックアップ” は木目と直角の方向に塗装します。
全体に “オールクラックアップ” を塗装していきます。
“オールクラックアップ” の場合は、完全に乾燥させてから上塗り塗料を塗装しますが、半乾きの状態で上塗り塗料を塗装するクラック塗料もあるので注意してください。
乾燥しても多少粘着感があります。
上塗り
上塗り塗料(ターナーミルクペイント・スノーホワイト)を塗装していきます。
重要なポイントは、塗り始めたら途中でとどまったり、戻ったりせず一気に塗り進めることです。
最初に刷毛に適量の塗料をとることが非常に難しく、塗り進めていくと塗料がかすれてくる場合があります。その場で修正せずに塗り進めてください。
上塗り塗料が乾く前にその場で修正しようとすると、うまくひび割れないばかりかクラック塗料がダマになってしまいます。
上塗り塗料を塗るとすぐにひび割れてきます。
上塗りが一応完了しました。
塗りムラやかすれが所々に出でいます。
この段階でペーパーやすりをかけ仕上げていってもいいのですが、今回は少し修正を加えていきます。
修正
乾燥後、上塗り塗料(スノーホワイト)をもう一度重ねて修正していきます。
かすれやムラのある個所を中心に薄めに塗っていきます。
修正前のはっきりとした割れ感が多少おとなしめになります。
塗料の量を調節して好みの完成形へ近づけていきましょう。
完成
ペーパーやすりでエイジングし茶色系のワックスで汚しをつけたら完成です。
まとめ
クラック塗装のやり方について説明しましたが、いかがでしたか?
今回は “オールクラックアップ” を使用してひび割れを再現いたしました。
クラック塗料を使用する際のポイントは、塗装方向に注意し、上塗りは途中でとどまったり修正せず一気に塗り進める事です。
塗装面が広かったり、長い材をクラック塗装する事は難易度が高いので、まずは小さい物からチャレンジしてみてくださいね。