木工DIYで作りたい物ってどんな物でしょうか?
フォトフレームの様な小物から、棚やテーブルまで色々あると思います。
そこで今回は、ゆくゆくはテーブルや机などをつくりたい方に “脚物家具” の基本の構造が詰まった “椅子” の作り方を説明していきます。(小さいサイズなので花台などディスプレイ用としてインテリアに取り入れられる椅子です。)
※ 脚物家具(あしものかぐ)とは椅子やテーブルなど脚がついたもの。それに対してチェストや棚などの箱状に組まれたものを “箱物家具”(はこものかぐ)と言います。
材料と道具。
材料(ホームセンターで購入出来ます。)
- ホワイトウッド 30mm×40mm×201mm 2本
- ホワイトウッド 30mm×40mm×455mm 2本
- ホワイトウッド 19mm×30mm×190mm 2本
- 1×2材 19mm×38mm×190mm 2本
- 1×2材 19mm×38mm×210mm 3本
- 1×3材 19mm×63mm×270mm 4本
- スペーサー用合板 5.5mm
- スリムビス 35mm 50mm
- 木ダボ 8mm×30mm
- 木工用ボンド
道具達
- メジャー
- さしがね
- スコヤ
- 電動ドライバー
- クランプ
- のこぎり(木ダボカット用アサリ無し)
- ドリルビット 2mm
- ダボ錐 8mm
椅子の基本構造と名称
今回作る脚物家具 “椅子” の基本構造について説明します。
- 前脚・後脚 座面(天板)からの重さを支え地面に均等に伝える。
- 幕板(まくいた) 脚の上端をつないで固定し座面(天板等)を支える部材。本来は座面裏側を見えなくする働きがある。
- 貫(ぬき) 脚と脚、柱と柱などを横に貫いている部材。幕板とともに脚と脚をつないで固定する。
- 背板
以上の部材を組んだフレームに座面を乗せると椅子が出来あがります。
脚物家具は、脚を幕板と貫で固定したフレームに天板や座面を上から取り付けるのが基本です。(デザイン的な理由からに幕板や貫が無い物もあります。)
両サイド組み立て。
始めに椅子の両サイドのフレームを組み立てていきます。
30mm×40mm×201mm 2本 前脚部材
30mm×40mm×445mm 2本 後脚部材
19mm×38mm×190mm 2本 幕板部材
19mm×30mm×190mm 2本 貫部材
スリムビス 50mm 以上を使用します。
前脚と後脚にビスを打ち込む位置(ダボ錐の位置)の墨付けをします。2つの部材とも同じ位置に墨付けするのでさしがねやスコヤでいっぺんに墨付けします。
ビスの頭を隠す “ダボ埋め” をする為にダボ錐(8mm)で墨付け位置に深さ5mm程度の下穴をあけておきます。
前後脚の幅が30mm、幕板と貫の幅が19mmです。
幕板と貫が前後脚のセンターにビス止め出来る様に、幕板・貫の下にスペーサー(5.5mmのべニア)をかませます。
2mmのドリルビットでビスの下穴をあけます。
脚部材を貫通させ、少し幕板・貫に下穴をあけておくと、ビス止めのガイドになってずれが起こりにくくなります。
ビスの下穴にビスを仮止め(後脚から突き出ない程度に)しておきます。
前脚と幕板・貫の接合面に木工用ボンドをつけ、ギューッと押し付けます。(押し付けておかないとビス止めする際に部材同士が滑ってずれてしまいます。)
部材同士をしっかり押さえビス止めします。
木工用ボンドがはみ出ますので濡らしたウエス等でしっかりふき取ってください。
左右のフレームが出来上がりました。
連結。
左右のフレームを幕板・背板で連結します。
19mm×38mm×210mm 3本 幕板・背板部材
スリムビス 50mm 以上を使用します。
後脚に背面側になる幕板を接合します。
後脚にはすでにサイドの幕板がビス止めされているので、そのビスに干渉しないようにビス打ちする位置の墨付けをします。
ダボ錐で下穴をあける・スペーサー5.5mm合板を背の外側にかませる・2mmドリルビットで下穴をあける・木工用ボンド接着・ビス止めの順番で接合します。
背板の接合には墨付けした箇所にダボ錐で下穴をあけた後、5.5mm合板2枚をスペーサーとしてかませ(背の外側)、2mmドリルビットで下穴・木工用ボンド接着・ビス止めの順番で接合します。
前面の幕板を接合する際は、フレームが不安定になるのでクランプで固定して作業するといいです。
背面の幕板の接合と同じく、すでに打ち込まれているビスに干渉しないように墨付けし、ダボ錐で下穴・スペーサー5.5mm合板を前面の外側にかませる・2mmドリルビットで下穴・木工用ボンド接着・ビス止めの順番で接合します。
片方のフレームに前後の幕板と背板が接合されました。
反対側のフレームを接合します。
前後の幕板と背板の3点を同時に接合するのでスムーズに作業出来る様にビスは仮止めしておきます。
3点の接合部分に木工用ボンドをつけたら、最初に後脚に接合する幕板と背板をビス止めします。
幕板には5.5mm合板のスペーサー、背板には5.5mm合板2枚のスペーサーをかませて接合します。
素早くフレームをひっくり返して前脚と幕板をビス止めします。
この時も5.5mmスペーサーをかませる事を忘れないでくださいね。
椅子のフレーム部分が出来上がりました。
座面を取り付ける前に “ダボ埋め” をしておきます。
ダボのでっぱりをカットする際、座面が取り付けてあるとカットしずらい箇所が出てくる為です。
座面取り付け。
座面板(19mm×63mm×270mm)を取り付ける際に、座面板と後脚が干渉する部分を欠き取り加工する必要があります。
ジグソーを使用して欠き取り加工を行います。
ジグソーの使い方についてはこちら⇨
ジグソーって?使い方と機能について分かり易く説明いたします。
写真ではジグソーの前に手を置いて加工していますが、基本的に刃物の進行方向に手は置かないようにしてください。
怪我の原因になりますので、この場合クランプ等で部材を固定して加工しましょう。
欠き取り加工完了です。
現物のフレームに合わせてみて、きちんとはまるかチェックします。
座面のビスを打ち込む位置(ダボ錐の位置)に墨付けする際は、前後脚と幕板の接合部のビスに干渉しない位置に墨付けします。
ダボ埋めのためにダボ錐で下穴をあけますが、座面材が厚み19mmなのでノギスで深さを確認しながら、5mm程度の深さになる様にします。
座面をスリムビス35mmでビス止めしていきます。
最前列と最後尾の座面を先に取り付けます。
この2枚をガイドにし、他の座面が真っ直ぐに並ぶように取り付けていきます。
座面と座面の間に5.5mm合板をスペーサーとして挟みビス止めしていきます。
全ての座面をビス止めし固定出来たらダボ埋め・ダボカットします。
椅子の完成です。
まとめ。
今回は脚物家具の基本 “椅子” の作り方についてお教えいたしました。
脚物家具の基本構造は分かりましたでしょうか?
脚を幕板と貫で固定したフレームに天板や座面を上から取り付ける、このポイントをしっかり押さえておきましょう。
今回制作した椅子にクラック塗料を使ってアンティーク風に仕上げる方法をこちらの記事で紹介しています。⇨
スツールの作り方・座面の張り方に関してはコチラ⇨
参考にしてみてくださいね。