DIYでのモノ作りにおいて、作業効率を飛躍的に向上してくれるのが、”電動工具” です。
しかし一口に電動工具と言っても、作業用途によって様々な種類があります。
穴あけ・締め付け、切断、研削・研磨、面取り・溝ほりの各作業に使用する電動工具の種類と、それぞれの電動工具はどの様な使い方をするのかという事をまとめました。
電動工具の購入時や使用時に参考にしてみてくださいね。
穴あけ・締め付けに使用する電動工具
電動ドライバー(ドリルドライバー・インパクトドライバー)
穴あけ・締め付け作業に必要な電動工具は、DIYを始めるにあたって最初に必要な電動工具でもある、充電式の ”電動ドライバー” です。
スイッチを入れると先端が回転するシンプルな構造の電動工具ですが、ネジ締め(ビス止め)や穴あけといったDIYの基本作業を行う上でなくてはならない道具です。
電動ドライバーは機能の違いから、”ドリルドライバー” と ”インパクトドライバー” に分けられます。
電動ドライバー(ドリルドライバー・インパクトドライバー)の使い方等に関しては DIY初心者がまず揃えるべき電動工具とは?電動ドライバーの種類と使い方。 の記事を参照してください。
ボール盤
”ボール盤” とは、本体に固定されたドリルビット(モーターの動力で高速回転させる)を、ハンドルによって上下させることにより、垂直方向の穴(通し穴・止め穴)を正確にあける事が出来る電動工具です。
ボール盤は正確な垂直穴があけられるので、ダボ穴(ダボによる接合・棚ダボなど)、丁番(スライド丁番など)の下穴など、精度が必要な穴あけ加工に使用されます。
ボール盤の使い方等に関しては ボール盤の構造と使い方とは? の記事を参照してください。
角ノミ盤
角ノミ盤とは、付属する切削刃 ”角ノミ” により、ほぞ接ぎのほぞ穴などの ”四角の穴” をあける為の専用の機械になります。
角ノミ盤に取り付けられる切削刃 ”角ノミ” は正方形の ”箱ノミ” の内部に ”キリ” が内蔵された構造になっています。
箱ノミは回転せずに正方形の角穴(角穴の枠部分)を切削し、キリは回転しながら丸穴(角穴の内側部分)を切削する事で、四角の穴をあける事が可能になります。
四角の穴を切削する方法は色々ありますが、角ノミ盤を用いると加工精度と作業効率を格段に高める事が出来ます。
角ノミ盤の使い方等に関しては、角ノミ盤の構造と使い方 の記事を参照してください。
切断に使用する電動工具
マルノコ
木材等を直線切断する電動工具と言えば、”マルノコ” です。
マルノコは丸い円盤状のノコ刃が高速回転し、前方に押し進め、部材を切断します。
DIYでの木材カットの精度・作業の効率を向上させてくれます。
ただし、誤った使い方をすると大きな事故につながる電動工具であるので、安全に配慮して使用する必要があります。
マルノコの使い方等に関しては マルノコの使い方と構造について詳しくお教えします。 の記事を参照してください。
スライドマルノコ
木材等の正確な角度切断や直角切断が簡単に出来、作業効率の大幅な向上が可能になる電動工具が “スライドマルノコ” です。
スライドマルノコは、部材を本体ベース部分に固定し、高速回転するノコ刃を押し下げ、手前から奥側へスライドさせながら切断します。
直角切断・角度をつけた切断は勿論、切り欠き加工などの溝をほる事も簡単に出来ます。
パワーが強いので取扱いには十分注意し、安全な使用法で作業する必要があります。
スライドマルノコの使い方等に関しては スライドマルノコとは?機能と使い方を ”マキタ・LS1014” で説明します。 の記事を参照してください。
ジグソー
のこ刃(ジグソーブレード)が上下に動き、本体を前方に押し進め部材を切断する電動工具が、 “ジグソー” です。
曲線カットや窓あけ・欠き取り加工の際にあると便利な電動工具です。
ジグソーの使い方等に関しては ジグソーとは?使い方と機能について分かり易く説明いたします。 の記事を参照してください。
バンドソー
”バンドソー” とは、帯状ののこ刃を2つの車輪でベルト状に高速循環させ、循環しているのこ刃へ材料を押し当て切断加工する機械になります。
大型の製材用バンドソーは、自動で材料を送り込み、原木の挽割り加工等を行います。
一方小型の木工用バンドソーは、直線カットの他、曲線カット加工が可能(のこ刃の幅が狭い為)で、材料は手動で送り込みます。
木工用バンドソーに関して詳しくは、バンドソーの構造と使い方とは? の記事を参照してください。
高速切断機
単管パイプの様な軟鋼パイプやアングル鋼、鉄筋などの鉄の材料を切断する電動工具が、”高速切断機” です。
高速で回転する円形のトイシを押し下げ、材料を切断します。
高速切断機は材料を本体に固定して切断するので、直角や任意の角度を正確・安全にカットする事が出来ます。
高速切断機の使い方等に関しては 高速切断機の構造と使い方とは? の記事を参照してください。
ポータブルバンドソー
”ポータブルバンドソー” とは、ポータブルバンドソーは、専用のソーブレード(帯状のノコ刃)を本体の2つのホイールに掛け渡し、ホイールの回転と共にソーブレードを高速回転させ、材料を切断加工する電動工具です。(バンドソーと呼ばれる機械のハンディタイプ)
主に鋼材の切断加工に使用されますが、ノコ刃による切断加工になる為、火花(ディスクグラインダーや高速切断機の使用に発生)が発生することなく作業できます。
ポータブルバンドソーの使い方等に関しては ポータブルバンドソーの構造と使い方とは? の記事を参照してください。
レシプロソー
”レシプロソー” とは、ブレード(鋸刃)が往復運動(reciprocating)する事により、木材や金属を切断する電動ノコギリの事です。
マルノコやジグソーにある広いベース面が無い為、狭い場所での使用や開口部を作る時に非常に便利です。
セイバーソーと呼ばれる事もありますが、どちらも同じ仕組みの電動ノコギリです。
レシプロソーの使い方等に関しては レシプロソーとは?マキタ製のAC電源式 JR1000FTK と充電式 JR144DZ を比較してみた。 の記事を参照してください。
研削・研磨に使用する電動工具
ディスクグラインダー
”ディスクグラインダー” とは、毎分約9000~12000回転する軸に様々な種類のディスク(砥石)を取り付け、金属・木材・コンクリートなどあらゆる素材の研削・研磨・切断を行うことが出来る電動工具です。
シンプルな構造ですが、誤った使い方をしてしまうと大きな事故につながる電動工具の一つでもあるので、正しい使用法を理解・習得する必要があります。
ディスクグラインダーの使い方等に関しては ディスクグラインダーとは?構造と使い方について説明します。 の記事を参照してください。
サンダー
”サンダー” とはサンディングペーパーを本体に取り付け、振動や回転させることによって木材等を研磨する電動工具です。
サンダーの種類には、細かい円運動(振動)で研削・研磨する “オービタルサンダー” 、円形のサンディングペーパーを貼り付けたパットが回転(パット自体の回転+細かい円運動)して研削・研磨する “ランダムサンダー” 、ベルト状のサンディングペーパーを回転させて研削・研磨する ”ベルトサンダー” などがあります。
サンダーの使い方等に関しては 電動工具サンダーの種類と使い方とは? の記事を参照してください。
ベルトディスクサンダー
ベルトディスクサンダーとは、ベルトサンダー機能(輪になっているベルト状のサンディングペーパー ”エンドレスベルト” を高速回転させ、材料を研削・研磨する)と、ディスクサンダー機能(円形のサンディングペーパー ”ディスクペーパー” を高速回転させ、材料を研削・研磨する)の両方を兼ね備えた電動工具です。
ベルトディスクサンダーは、オービタルサンダーやランダムサンダーの様なハンディタイプのサンダーと違い、本体を固定し部材を押し当て研削・研磨します。
ベルトディスクサンダーの使い方等に関しては ベルトディスクサンダーの構造と使い方とは? の記事を参照してください。
面取り・溝ほりに使用する電動工具
トリマー
“トリマー” とは、高速回転(毎分25000~35000回転)する先端ビット(先端の刃)によって様々な切削加工が出来る電動工具です。
本体が軽量な為、片手での作業が可能で、面取り加工・溝ほり加工・ならい加工・円加工など様々な加工が出来る大変便利な電動工具です。
トリマーの使い方等に関しては トリマーの使い方と構造について詳しく説明します。 の記事を参照してください。
マキタ製充電式トリマー ”RT50D” のレビュー記事はこちら➩
京セラ製トリマー ”ATRE60V(旧リョービ・TRE60V)” のレビュー記事はこちら➩
ルーター
”ルーター” とは、高速回転(毎分9000~27000回転)する先端ビット(先端の刃)によって、様々な切削加工が出来る電動工具です。
面取り加工・溝掘り加工・ならい加工・円加工など様々な加工が可能です。
先端ビットの回転速度はトリマー(毎分25000~35000回転)に劣りますが、出力はトリマーの3倍ほどあり使用する先端ビットも太く大きいので、よりパワフルな切削が出来ます。
トリマーは軽量なので片手で操作しますが、ルーターは重量があるため両手でハンドルを握り操作します。
専用のテーブル(ルーターテーブル)にルーターを固定し、材料を動かし加工する場合も多いです。
ルーターの使い方等に関しては 電動工具ルーターの使い方と構造について詳しく説明します。 の記事を参照してください。
ルーターを装着したルーターテーブルの使い方に関しては、ルーターテーブルの構造と使い方 の記事を参照してください。
ジョイントカッター
”ジョイントカッター” とは、ビスケットジョイントの為の溝をほる専用の電動工具です。
円盤状のカッターを回転させながら押し出し、半月状の溝をほることが出来ます。
ビスケットジョイントとは、ビスケットと呼ばれるブナ材等を圧縮して作られた接合パーツをジョイントカッターで掘った溝に差し込み、接着剤を塗布し部材同士を接合する方法です。
ビスケットが接着剤の水分を吸って膨張する事によって強固な接合が出来ます。
様々なジョイント(コーナー、T型、エッジなど)に用いられ、精度の高い接合が可能です。
ジョイントカッターの使い方等に関しては ジョイントカッターの構造と使い方とは? の記事を参照してください。